ねむ

ビール・ストリートの恋人たちのねむのレビュー・感想・評価

4.0
相手のことをとっても好きで見つめてる時の瞳ってどうして僅かに揺らぐのか。
瞬きが詩的で好ましかった。
言葉では追いつかないものを私はずっと見つめる。
彼や彼女と私が、画面越しに随分見つめ合う。

『ただ愛し合っている人達が好きなだけ』
何を基準にカテゴライズするかでこんなに違ったものが取り出される。

弱みを突かれて反撃出来ない人の真実を一体どうやって知ったらいいんだろう。
ご機嫌に笑ってみせる人の隠している傷を神様は本当に存在していて癒してくれるんだろうか??

全てが正しい行いではなくて、無実の人を助けたくていけないことに手を出す。
犯罪は裁かれるけれど、何故ある種の不正は まかり通るのか。

ずっと続いてきた不条理を私はどれ程感じ取れているのか。
自分が芯から経験していないことはどんなに寄り添っても近づけないのか。

飲み込めないに決まってる。
喉の奥に何か つかえたまま生きていく人生があるということ。

みんなが同じ人間だと思うから無理なのかな。
いっそ全ての人種が、犬と鳥くらい違う種族だと思った方がいいんかなとか途中で考え込んでしまった。
同じだと思うから異なる部分に目がいく。
足並みを揃えようとするか、ランクをつけようとする。
それは人間の持つ抗えない性質なのか?
ねむ

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