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スリー・ビルボードのmsyのネタバレレビュー・内容・結末

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

娘を殺されてまだ一年にもならない母親、
絶対的な被害者
でありながら
うんでもちょっと視野狭窄よね
ちょっとやり過ぎよね、
ちょっとちょっとーーー!
となり

犯人を捕まえられない
地元警察の署長、
言い訳してるけど結局仕事してるの
してないの?
から
いやすごいできた人ですやん
部下に対しても家族に対しても
完璧なフォローは無私の愛
なにこれ、なにこれ…
となり

彼の部下である警官ディクソン、
悪徳なだけでなく
バッヂが見当たらないのくだりで
全てにおいてだらしない未熟者、
クビになって当然で
この後荒れに荒れるんでしょうね
から
まさかの、まさかの、
まさかそんなーーー涙涙涙

そしてパンフレットや解説を見て回って
ああ…とため息をつかずにはいられない
テーマの数々…
一人の頭の中だけでも
大きな振れ幅を持つのに
住人の数だけ持ち寄って絡まり合ってる。

国家機密、砂の多い場所だ
察してくれ
に至っては田舎町の手に余るレベル。

娘の殺害は相当に残忍なのに描写が薄く
どこにでもあるよくある話
といった扱いにも見えて怖い。

絡まりは罪までも隠すほど複雑で
ほどける見込みもないけれど
ディクソンが爆発で吹っ飛んだあの時
奇跡が起こるのを見た。覚醒。劇的な。
泣いた。泣いたよ。
きれいごとが綺麗すぎて打ち震えたよ。
落ち着いて周りを見たら
自分は一人じゃなかったし
クズでもなかった。
その後の謝罪行脚も気高くてもう…

頑ななミルドレッドを
笑顔に導くという彼しかできない仕事も
やり遂げている。

アイダホへの道中で
彼らがどんな結論を出すのか
知ることはできなかったけど
多分、二人ともエビングに戻ってきて
あそこで生活を続けると思う。
ディクソンにはあのストローが待ってる。
ミルドレッドには看板への出資者が
待ってる。

元旦那の今カノがハッピー過ぎて
最高だった。
それに音楽の使い方が巧みで
詳しくない私にも上手いのが分かった。

そしてエンドロールの最後は
ドーンと曲調が重くなった、です。
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