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スリー・ビルボードのgengengのレビュー・感想・評価

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)
4.5
ツイッターのリプライ欄に溢れるマウントの取り合いや、ヤフーニュースのコメント欄で繰り広げられる罵り合い。ああいうのを見てると、ただただ悲しい気持ちになりますわ。気づかないうちに削ってんのは自分の心だぞ?マジ、みんなで理解し合えばいいのにさ!?

という綺麗事を思いつつもそういうのを見ると「は?なんだコイツとんでもねえ野郎だな?何考えてんだボケ!もっと愛を持てよ馬鹿野郎!ぶっ●すぞ!?」などといった愛という憎悪を抱いてしまう事もある。あるんだよね〜

そんな感情を登場人物全員に抱いてしまう映画。「こいつはヤベエ」ってところと「意外とまとも」っていう部分が描かれていて『哭声』のようにどんどん印象が変わっていく。自分の穿った見方を正されていく感じ。どれだけ意識してもフィルター越しに観てしまう自分。

でもさ、悪いヤツが終始悪いヤツとして描かれ、良いヤツ・弱いヤツは最後に報われる。そんな人間味0の印象の押し売り、水戸黄門的展開なんて退屈じゃん。何、浸っちゃってんだよっつー。そういう意味でこの映画は人間臭いな〜生きてるな〜って感じた。どいつもとんでもねえ野郎なんだけど、完璧な人間なんていないんだ、不完全なんだ、ということを改めて気づかせてもらえた。だから、ラストシーンの先は良い世界だと思いたい。