トモ

スリー・ビルボードのトモのレビュー・感想・評価

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)
4.9
スリービルボード

めちゃくちゃ濃厚だった、全ての人物が作用している作品

最初にこの作品が扱う事件を知った時、被害者家族の心情に繊細に焦点が当てられた作品なのかと思いきや、被害者の母親がガンガン責任の所在を炙り出すパワフルな人物像

その勢いで煽って追い詰めて犯人にまで辿り着くと思いきや、人物の背景を知り自分の行動がもたらしてきた影響に苦しめられる事になる

自分の正統と思える行動が何か(誰か)を苦しめ、追い詰める事って日常よくあると思うけどそんな矛盾が沢山溢れてくる

正しい事をしたいとかではなく、ただ犯人を突き止めたい一心の行動なのに自分が追い詰められていく、娘を失った悲しみを消し去るという原動力を削がれた時、この母親は初めて弱さを見せる

ストーリー設定もあるだろうけど、この女優さんの心情の動向、演技が圧巻

強さに隠れた弱さを想像させる素晴らしい演技

そして署長にしても刑事にしても観客に感情移入させる背景を持ってる

真実を突き止める圧倒的なパワーを削ぐ要素があるのがこの作品の醍醐味

まず憎むべき犯罪者がいて、そこに辿り着くまでに関わる人物がいる

怒りの感情がいつしか違う場所に向けられ盲目になってしまうことあるよなって思う

感情的になって人を冷静にみる事が出来ず傷つけること

全てが意味のあるシーンでそういう悲劇にみまわれた訳ではないけど凄く考えさせられる

「傍観するのも共犯」という主人公の強い思いが、行き場のない彼女のラストシーンに繋がっていて作品の落とし所になっている。生き様が格好良い

重い内容だけど、主人公の淡々とした台詞、絶妙な台詞、格好良さ、エンターテインメント性も感じた

感想言い尽くせない位良かったです

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