にょこ

スリー・ビルボードのにょこのネタバレレビュー・内容・結末

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

序盤からテンポよく、観終わるまであっという間でした。
マクドーマン演じるミルドレッド、署長役のハレルソン、ディクソン役のロックウェル。
この3人の演技が素晴らしかったです。

劇中、出てくる社会風刺を感じるセリフもアメリカの闇が垣間見えて面白い。

最初は看板を元に犯人探しをしていくってものかと思いきや、看板が切っ掛けとなり、浮き出る人間ドラマですね。
それも怒りが主軸の癖が強めな感じ。

“田舎町と強くて賢い女”がマッチするマクドーマン。似合うなぁ。
自然体だけど圧巻の演技力。引き込まれました。

正義の署長。
署員のほとんどポンコツでめっちゃ苦労したかと思います。立場上。
途中まで彼が犯人を探し続けてくれるかと思っていたのですが、、ポンコツディクソンにバトンが渡るとは。
本当に物語の中盤までは、ディクソンがバッチ没収されたりすると、もっと反省しろ!もっと痛い目見ろ!と思いましたが。
(実際に痛い目見ましたが)
署長からの手紙のくだりは泣けました。

署長がディクソンに宛てた手紙があったからこそ、後半のディクソンの行動に涙できたし、人が変わったかのような活躍ぶりに無理矢理感はなかったように思えます。

ディクソンが差別主義の母に育てられてきるという環境も、恐らくゲイ?というのも署長は知っていた様だし、署長は唯一の理解者であったんだろう。。ディクソンはきっと署長を父親代わりのように思っていたのかもしれない。

ミルドレッドがいよいよ心身ともに追い詰められる中での、警察署放火はやり過ぎだと思ったけれど。
怒りが怒りを来す。まさにこれ。
ジェームズを傷付けてしまうシーンは悲しい。けど、彼に怒られて頭が冷めたのかな。
瓶を持って元旦那のところに行く時は殴り掛かるのかとヒヤヒヤ。
そして病院でのディクソンのレッドとのやりとりに涙…
ここら辺のミルドレッドとディクソンから変化がみられました。
怒りから赦しに主軸が変わって行くような感じ。
ディクソンのバーでの活躍は胸熱でした。
あんなにディクソンに腹立ってたのに、応援している自分がいた。
今までしてきた事は許されるものじゃないのも本人が1番わかってるんじゃないか。

車の中のミルドレッドとディクソンの会話で終わるラスト、とても良かった。
にょこ

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