Aileen

ブリグズビー・ベアのAileenのネタバレレビュー・内容・結末

ブリグズビー・ベア(2017年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

ジェームズは自分の「好き」を貫くことで失われていた・本来経験するはずだった時間を取り戻していったけれど、彼の行動力はテッドとエイプリルの愛情のお陰でもあり、彼ら(とブリグズビー・ベアの世界)以外と関わることができなかったせいでもあり…。

そう考えると正直、単純に「素敵!」とは思えなかった。環境のせいで普通に育っていれば与えられていたはずの色々な選択肢を与えられず、ああなるしか無かったのだから。

だけどそういう納得のいかない事情が霞むほど、ジェームズの「好き」は輝いていました。だって、好きなものを素直に「これが好き」って他人に伝えるのってすごく難しいことだから。

今は大人なのであんまり気にならないけど、昔は「自分の好きなものを周りの誰も知らない」ってめちゃくちゃ怖かった。
「みんなが好きなあの曲、あのアーティストが良いと思えない自分は頭がおかしいのかな」なんて悩んで、無理やり好きになろうとしたこともあった。結局周りの子と同じ熱量で好きになれることはなくて、私は今も周りの人が知らない音楽を聴いて、二次元のアイドルを追いかけてる。いやアイドルは去年からだけども。

でも「私の好き」を貫いた結果、一緒にライブに行ったりゲームができる友達に出会えたのも確かで…。

「みんなと同じものを好きでいないと」って決めつけて周りの人を信用しなかった自分は残念な奴だったんだな、ってこの作品を観てしみじみ思いました。

まぁ、だからといって課金額だけは友達にも言えませんけどね。逆に信用失くすわ。
Aileen

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