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ブリグズビー・ベアのyumeayuのレビュー・感想・評価

ブリグズビー・ベア(2017年製作の映画)
4.5
好きこそものの上手なれ

「カメラを止めるな」がジワジワきていたあの頃に、時を同じくして公開されていた今作。

自主制作映画という共通点と、鑑賞後にTシャツが欲しくなるということから、映画ファンの間でなにかと比較されていた両作。
「カメラを止めるな」が社会現象になってしまったこともあってミーハーと思われたくないから、真の映画通はこっちをあえて押すみたいな風潮ありませんでした?
ないか(笑)。

「カメラを止めるな」がこんなにロングランされるのがわかってたら、こっちを先に見とくんだった…。
僕は思いっきり見逃してしまいました…。
だって上映映画館めちゃくちゃ少ないんだもん…。
そして、この度ソフト化に伴いようやく鑑賞!

いやぁー!評判通りめちゃくちゃ面白かった!

よくよく考えると結構ヘビーなストーリーにもかかわらず、主人公ジェームスの明るさもあってか、とても爽やかな青春映画でしたね。

誘拐の被害者ということで、世間はレッテルを貼りたがり、両親も過度な干渉をしてしまいましたが、ジェームスにとって大切なことは他の誰もが経験する青春を謳歌することだったのだと思う。
親に何を言われようが、好きなことを目一杯楽しみたい! これが青春だ!
ジェームスにとってそれがたまたま「ブリグスビー・ベア」の自主制作映画だっただけ。
両親にとっては忌々しいものという気持ちも理解できるけど、作品に罪はないと思うし、そもそも好きなものは好き。その衝動は誰にも止められない。
理解のある妹や、共通の趣味がある友人に恵まれたことも大きいですよね。

思えば自分にも好きだったのにいつのまにか諦めたり、辞めたものがあったっけ。
劇中で役者を志していた刑事に言ったジェームスの一言が忘れられない。

「なんでやめちゃったの?」

思わずドキッとさせられる。
明確な返事をできない刑事の戸惑いが、僕の方にも伝わる。
きっと好きだけじゃ食っていけないとか、諸々な理由はあるのだろう。できることなら本当は続けたかったんだよ…。

だから、あの刑事がジェームスの映画で楽しそうに演じている姿を見たときは泣きそうになった。
忘れていた気持ちを思い起こされました。

登場人物たちがみんないい人すぎるとか、話がうまく行き過ぎというツッコミもわからなくもないですが、たまにはこういう素直な映画もいいじゃない。

テーマソングも最高すぎる!
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