料理も映画も下ごしらえが大切。
なんぼでも面白くなりそうなのにな。ストーリーもビジュアルも。
10年前に脱走したカルト集団から突然届いたビデオテープ。その後の生活に満足のいかない兄弟が古巣を訪れると…というストーリー。
ひとつひとつの出来事は興味をそそられ、伏線回収を楽しみにしながら観ていくが、「全然回収せんのかーい!」とツッコミを入れたくなるような投げっぱなし感。「意味ありげ」な演出なんて素人でも考えつくのだから、そこをきれいにまとめ上げてこそのプロでしょうと思う。
また作中に出てくるとある"存在"だが、独特なコミュニケーションをとり、巨大な存在を想像させられるような俯瞰でのショットが多用されるなど、これまた物語の転換に重要なキーになりそうでならんのかーい!と天丼をかましてくる。
また "ループ"を自身の手で行うのは理解できるが、わざわざ苦痛が大きいであろう焼身自殺を選ぶところなどリアリティのなさが目立つ。そこ炎のビジュアル使いたかっただけちゃいますのん。
バディものとしてもヒューマンドラマとしても押しが弱く、何が伝えたかったのかもさっぱりわからない。
ボタンを掛け違ったまま進行する舞台に、いまいちノリきれないラスト。
これは…厳しいですね。