アルカディアの作品情報・感想・評価

「アルカディア」に投稿された感想・評価

このレビューはネタバレを含みます

クライマックスのカルト教団の三つの月が満たされる夜の儀式めいた様を見るからに、過去から保管されてる映像素材もあって、彼らがいつからループをエンドレスに繰り返しているのかわからない。彼らが呼んでしまったのか、その地を支配しているのか魔物の存在はラブクラフトが創造した太古の神的なもので、そのイメージは随所に示唆される。兄弟はたまたま子供の頃その地で事故に遭い彼らに救われ、ループから逃れられていたようで、教団を抜け出したものの、現実社会に馴染めず、兄に指図されることに嫌気の差してる弟が教団の穏やかな充足を求めて、1日だけ帰ることになってしまう。しかも違和感と不穏さを感じ続ける兄と違い、弟は教団の居心地の良さに留まろうとさえする。
リセットされループされる繰り返しの人生の中で教団の人々は生きている。穏やかさは諦念でもある。教団外の運悪くリセットとループに巻き込まれた人々も繰り返す人生を生きその中であがいている。死ねない死者、生ある死者。それもまた煉獄。

それは見えない存在を感じるように次第に認識されていく。
これがとても興味深く面白い!
アーロン・ムーアヘッドとジャスティン・ベンソンは前作の「SPRING/モンスター変身する美女」が偏愛してるくらい好きで、「キャビン・イン・ザ・ウッズ」から比べると格段と精度を増してるし、インディと思えぬ(監督/主演/スタッフのムーアヘッドとベンソン!)とても素晴らしい画作り。グロな描写も用いずホラーというよりも幻想的なSFと言える。描写される映像の表現がとても良いのだわ。
「モンスター/変身する美女」でもラブクラフトへの傾倒は見て取れたけど、今作は異次元の神の存在はあからさま。そんな大いなる神に対して繰り返される生を生きようとし、また抵抗する人々の悲劇の中のタフさに感じ入りますわ。
繋がってる「キャビン・イン・ザ・ウッズ」再見しようと思った。
Kumarion

Kumarionの感想・評価

3.9
面白いSFとホラーをブレンドした作品。
脚本も面白くて、演技も悪くない。観終わった後、監督たち(今回は脚本も主演もやっている二人)を調べたら、彼らの前作「Resolution」(邦題は「キャビン・イン・ザ・ウッズ」...)と「アルカディア」は同じ世界であって、ストーリーの一部が繋がっていると!
とにかく前作も今回の映画ももう一度観たい。
10年前、カルト教団の村「アルカディア」から逃げてきた兄弟
兄にとっては異常な場所
弟にとっては良い思い出しかない場所
教団からビデオテープが届き再びアルカディアに戻ってみることに

弟くんはカルト教団からの洗脳から解けていないのかな?なんて思いながら観てたけど、教団の人たちは皆いい人でお兄ちゃんの言ってたことと違うぞ?
ただ不思議なことは起こっていて...
空から伸びるロープ、池の巨大な陰、落ちてくる写真
どういうこと?!的なワクワク現象で楽しませてくれます
低予算映画なので派手さは皆無だけど、これかなりSFでオカルトなんですね
テレビドラマのロスト(※後半)を思い出しました

過干渉のお兄ちゃんと、もっと信頼されたい弟くんの関係性がラストに効いてて良いです
カリコレ作品

カルト教団から十年前に脱走した兄弟。都市で生活では友人なし、彼女なしで住みにくいものであった。弟の頼みもあって、1日だけ教団に帰ることになる。そこでは入口にニコニコしているおじさん、何度もすれ違うおじさん、真夜中の謎レクレーション、有意義な顔をして生活している住人達など兄弟たちは教団に違和感を覚える。

原題は『The Endless』というものから、だいたいの内容や設定などは推測出来そうだけど、とにかく雰囲気がいいですね。

ニコニコおじさんお出迎え一周まわって不気味。
でもやっぱり、ご飯食べれてみんな仲良く暮らせるならカルト教団の生活も悪くないかも(笑)
ひゴル

ひゴルの感想・評価

3.5
とにかく解説が必要な映画。一回見ただけだと何が何だか..😨💦解説しきれるなら佳作、解説しようがないなら凡作って感じ?初見は釘付けにはなったので3.5あげる(何様?)

監督2人が制作、主演までこなした低予算インディーズ作品。おそらく二回目の鑑賞で違った楽しみ方が出来るかも..情報無しでみたので恐怖と戦って負けそうになった:(;゙゚'ω゚'):
カルト宗教のなかなか抜け出せない仕組みとタイムループに閉じ込められて抜け出せない状況と似ている。でも、そんなSFミステリー云々よりも現実世界から逃げずに生き抜く決意に至るまでの兄弟の成長を描いたドラマでもあるので面白い。
0mi

0miの感想・評価

3.5
ジャンル的な意味でどっちに転ぶだろうと思いながら割と楽しく観られた。最後の謎な部分が残るオチは若干急展開気味だけど、全体的に雰囲気含めて結構好き。
horahuki

horahukiの感想・評価

4.3
ツボ!ヤバイ!最高!!
10年前に自給自足系カルト集団から逃げ出した兄弟。人生うまくいかないから飯をたかりにカルト集団にノコノコ戻ってきた。そこでとんでもなくヤバい事態に遭遇しちゃうSFホラー。

カリコレ2018公開作です。
今回のカリコレ最大注目作!!(私的に)だったわけですが、評判通り最高でした♫

あらすじ…
カルト集団アルカディアを10年前に脱退し、兄弟で清掃の仕事をしながら極貧生活を送っている主人公たち。兄は今の生活にそれなりに満足してるけど、弟はうんざり。カルトにいた時は美味しいものも食べれたしみんな優しかったという過去の記憶を思い出しアルカディアに戻りたいと考えている。しかし弟の親代わりでもある兄はそれを絶対に許さず、日々のことでも弟を縛り付けている。ある日、兄を説得し1日だけアルカディアの元に遊びに行くことになったが…。

兄は、アルカディアのことを集団自殺集団だとかヤバイことをいろいろと弟に吹き込んだりマスコミにぶちまけたりしてるのですが、実際に行ってみるとめちゃくちゃ良い人たちなんですよね。裏切り者であるはずの兄弟なのに暖かく迎えてくれて、色々と気を遣ってくれるし、留まることを強制することもなければ、追い返すこともしない。

でもそこかしこに感じる違和感が次第に積み上がっていく。入口で笑顔のまま微動だにせずに佇むおじさん、何度もすれ違うおじさん、そして10年前から全く老けたようには見えない団員たち。何もおかしいことはないはずなのに、何かがズレてる。この違和感の盛り上げ方がさりげなくてうまい。

特筆すべきはアルカディアの儀式。アルカディアでは夜に儀式を行うんですけど、この儀式が不気味。向こう側で団員がロープを掴み、その反対側を綱引き的な要領でひとりずつロープを引くというものなのですが、向こう側が暗闇だから掴んだロープの反対側が全く見えないんです。向こうにいるのは団員だというネタを事前に明かしつつも、今まで積み上げた違和感による土台と、異常性を帯びた綱の動きにより、もしかしたら向こう側に人ならざる者がいるのではないかという不穏さを演出する。ここがとてつもなくうまい。

そういった違和感の積み重ねで見せる前半と中盤でのタネ明かし、そして物語の本質が見えてくる後半。SF要素は作りこみが甘いように感じますが、そもそも本作は主人公兄弟の関係性や、実生活・人生に対する考え方の変化・成長の物語の暗喩的設定なので、私的には全く気にならなかった。

彼らにないのはお金とお互いへの真の意味での信頼。でも裕福で仲の良い仲間に囲まれた幸せな暮らしだったとしても、それがいつまでも続くとは限らない。アルカディアが2人に見せるのはある意味その究極系であり、2人が人生やお互いの関係と向き合うチャンスをくれる場所でもある。それと同時に2人の歩む人生の悪い方の着地点をも暗示させる。本作は、2人が家族への向き合い方を学び人生の真の意味での輝きを手に入れる物語。

監督、脚本、主演とほとんどを2人でこなしたジャスティンベンソン&アーロンムーアヘッドは今まで全くノーマークでしたが、今後要注目なのは間違いないですね。『モンスター』も見なきゃ。
な

なの感想・評価

3.5
タネ明かしされるまでは、ドキドキしながら観てたんだけど……。
とり

とりの感想・評価

4.0
作家性の完遂。兄ジャスティン・ベンソン×弟アーロン・ムーアヘッド、二人が作り上げた難解な物語/世界観に魅了され完膚なきまでに叩きのめされた。監督&脚本&主演ばかりか製作(二人)、編集(二人)、撮影監督(ジャスティン)、特殊効果(アーロン)といった徹頭徹尾あらゆる職種に二人がクレジットされていて、「やっぱり」と気持ちいい意味で裏切られた。特にこの物語を単独で脚本として紡ぎあげたジャスティンは劇中の役が観客の常識的視点の立ち位置として格好良いばかりか、その才能に称賛。やはり本当に自分自身で作りたい物語、映画のアイデアがあって、明確なイメージもあるなら、これくらいしないとと思わされる例だから、もう自分に言い訳できない。才能の証明と発見。
「カルトっぽい」否!ーーーー衝撃に備えよ、これは面食らった。本国でTHE ENDLESSという原題で公開されてやたらと高評価を受けていたので気になっていたが、これは単なるカルト教団を描いたインディー系良作みたいなものではない、と断言する!一見突拍子もないクレイジーな設定なのに不思議とリアルに感じられるのは二人の演技と演出の賜物。だから本作の出発点が万が一、アイディア先行の見切り発進(そんなことないに違いないけど、、)だとしても、出来上がった本作は驚くほど深く煙に巻かれない難解さで(映像の質感、色合いといい)始終イヤ~な不穏な空気感を醸し出しているという快作=怪作で断固支持する。『世にも奇妙な物語』の100倍奇妙で奇怪で不思議。深く深く深みにハマっていく、そんなヘンテコさがいとしい。集団のリーダーや兄弟関係に表れる支配関係への考察を感じる。比較的さらりとネタバラシを迎えた後はどんどん衝撃の展開に加速していき、映像と共に抗えないカタルシスに突入する。ちょっとシュールなビジュアルの美味しさ含めて途中から背中をピンと伸ばして見入っていました。だから「全部兄ちゃんのせいだ、兄ちゃんが僕の人生を振り回した」みたいな台詞を吐いて始終甘ちゃんスタンスの弟アーロンに対して「お前が今それ言うか?俺が殺してやろうか!」という気持ちになったのは内緒。まとめると『スター・ウォーズ』とかを見て2つの月に憧れても、やっぱり月は1つで充分だなと思える作品でした。

PLEASE, BE QUIET
TOMATOMETER97% AUDIENCE77
The Endless benefits from its grounded approach to an increasingly bizarre story, elevated by believable performances by filmmakers Justin Benson and Aaron Moorhead.
いち麦

いち麦の感想・評価

4.0
良くあるSFネタだが、カルト集団キャンプでのパターン化や次第に真相を露呈させていく展開と演出が上手く、恐ろしさ悍ましさは充分に味わえた。ラストの見せ方が淡白なのと、どのキャストにも吸引力が無いのが惜しい。
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