カトキチ

夜の流れのカトキチのレビュー・感想・評価

夜の流れ(1960年製作の映画)
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成瀬巳喜男と川島雄三が共作するというスタイルで花柳界の料亭をきりもりする女将とその娘を中心に、芸者が過ごす日常を様々なエピソードの積み重ねで描いた異色作。

ワンシーンを丸ごとそれぞれの監督が撮るというスタイルで製作されたので、ハネるようなテンポの川島監督と緩やかなテンポの成瀬監督。小気味良く笑えるシーンと艶を感じるシーン。カット割りが決まってるシーンと長回しのシーン。これが合わさることで生まれる違和感が観る者を圧倒する。

セットは完璧で伏線張りまくりの脚本は言わずもがな。映画が進むにつれおどろきが待っている。役者もホントに素晴しく山田五十鈴はさすがの演技で女、母、女将と表情を変え、司葉子の美しさ、志村喬のうまさなどもう円熟という言葉以外は見当たらない。

意外と展開は激しめで、ある意味ジェットコースタームービー。観れる機会があったらなるべく観ることをおすすめしたい。
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