Azmin

007/ノー・タイム・トゥ・ダイのAzminのレビュー・感想・評価

4.0
震えが止まらない。

3度の公開延期を経て、本日無事に観ることが出来た待望の最新作。
間違いなく、007シリーズ最高傑作になったと思う。

ダニエル・クレイグのボンド。
個人的に一番好きだった。
何より人間くさいところに惹かれる。
1作目の「カジノ・ロワイヤル」で本気で愛した女性ヴェスパー。
彼女の死後もずっと気持ちを引きずっているところなんて、レディーキラーに徹する歴代ボンドとはかなりカラーが違う。

今作はそんなクレイグの最後のボンド作品だけあり、気合いの入れ方が半端ない。
毎回超豪華でダイナミックなアクションシーンはモチロン、ストーリー自体が愛を全面に出している。

彼がヴェスパーへの気持ちに区切りをつけ、新たに選んだ女性レア・セドゥ演じるマドレーヌとの物語も冒頭から胸が痛くなる。

マドレーヌの過去の秘密にからむ悪役ラミ・マレック。
彼の存在も静かで不気味だった。
能面をかぶった姿もどこか和風でインパクト大。
ただそこまで強烈なキャラではないのが少し残念ではあるかな。
あとアナ・デ・アルマスは思った以上に可愛くてGoodです。


★以下ネタバレ★

今回の最大の武器は生物兵器、コロナ禍にある現在観ると、なんだか他人事に思えないテーマでもあった。

そして1度別れたマドレーヌと再会したボンドに可愛い娘の存在がわかるところ。
こちらがたまらない。
(そう言えば駅の別れのシーンで、彼女がお腹に手を当てていた)
そしてラスト。
もう胸にジーンと来て、ショックでなかなか席を立ち上がれなかった。

もう無骨なのにスーツの恐ろしくキマる逞しいクレイグボンドには会えないのか。
寂しすぎる、惜しすぎる。
が、年老いて頑張り続けるより、最高に素敵な状態での幕引きはボンド伝説になると思う。
本当にお疲れ様でした。
Azmin

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