キナ

去年の冬、きみと別れのキナのネタバレレビュー・内容・結末

去年の冬、きみと別れ(2018年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

宣伝の時点で罠にハマるだの騙されるだのと相当煽ってくるのでどうしても穿った見方をしてしまい、せっかくの驚きの真実が予定調和となってしまったのが非常に残念。
でもその驚きの真実も使い古したようなネタでしかなかったのも残念だったな…

とはいえ本筋は普通に面白い。
耶雲が後ろ暗いのはハナから承知だったけど、小林があそこまで深く絡んでくるとは。
だから記者として近づかないとだったのねと納得。
色々な繋がりに大きな無理のない、わりと細かな所まで説得力のある設定がとても良かった。
最後の木原坂の、一本取られたぜ〜的な表情が好き。

でも朱理はどう考えても軽率が過ぎるでしょう…
自分の殺した女の元恋人、しかも粘着質な性格で無駄に行動力のあるヤツにに簡単に事の真相をベラベラ話しては駄目でしょうそりゃ。

話の流れが良いことは前提として、演技や演出が薄っぺらめでなかなかノリきれず緊張感も何も無くひたすら話が進んでいくのを眺めてるような感覚になってしまった。
これはもう私の好みの問題なんだけど、どうしても岩田剛典と山本美月の演技が苦手だと思った。
色々と頑張っていたのはよくわかるんだけどね…

この作品で一番騙されたな〜と思ったのは、男臭い感じのキレ者な小林デスクが歳下の女に人生振り回された挙句最後にめちゃくちゃ情けない泣き声をあげたことかな。
北村一輝はかっこいい男!という思い込みはやっぱり危険だなと身に染みて感じた。
あと木原坂の代表的作品である、蝶の写真が個人的に全く良いと思えなかったのも面白かった。

余談だけど百合子が撮影時に付けてた金色のシャラシャラしたイヤリングが、エスニック雑貨店の元祖仲屋むげん堂で500円くらいで売ってる私も持ってるやつで気になって気になって仕方なかった。
あんなアーティスティックな家出撮影道具や衣装もさぞかしこだわっているんだろうなと思いきやのまさかのむげん堂で。いやむげん堂大好きだけど。
キナ

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