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ライオンは今夜死ぬのcollinaのレビュー・感想・評価

ライオンは今夜死ぬ(2017年製作の映画)
4.0
やっと観ることができました。
老いたジャン=ピエール・レオ。けれども、彼が遠くを見つめる視線、カメラを見つめる視線は
老いてもなお、あの少年であり、またその一方で彼の顔に刻まれた皺は時間の経過を感じさせる。

そして、諏訪監督もおっしゃるように、レオの空間をねじ曲げてしまうような力。
レオが歩くだけで、歌うだけで、寝ているだけで。
映画のなかでしか生きられないであろう、ジャン=ピエール・レオという存在は変わらなかった。

私は彼の2分の1も生きていないのだから、やはりこの映画の本当に意味するところは分からない。
このレビューを書く資格があるのかも判らない。ましてや、レオという存在を語るには余りにも未熟。

70~80歳という時期を生きるジャン=ピエール・レオ。
「死」は「出会い」。
今のジャン=ピエール・レオになにが見えているのだろうか。

そして、映画を作ること、観ること。その喜び。レオの人生そのもの、レオにとっての生きること、
映画の喜びを、子供たちに見せつけられた、映画はやはり生きることそのもの。

彼から、彼の産み出す空間から、眼を離すことはできないと改めて感じた。
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