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泣き虫しょったんの奇跡のKUBOのレビュー・感想・評価

泣き虫しょったんの奇跡(2018年製作の映画)
3.6
7月最初の試写会は「泣き虫しょったんの奇跡」完成披露試写会。

将棋界には「奨励会」という棋士養成組織の中で26歳までに4段になれなければプロ棋士にはなれないという厳格なルールがある。その中で、一度奨励会を辞めた男が、再びプロ棋士を目指した瀬川晶司さんの感動の実話。

上映前の舞台挨拶には主演の松田龍平をはじめ、野田洋次郎、松たか子、渋川清彦、新井浩文、小林薫、國村隼、豊田利晃監督、原作者でご本人の瀬川晶司氏が登壇。

何を聞かれてもヨレヨレのあいも変わらぬ松田龍平もおもしろかったが、豊田監督が実はかつて「奨励会」に所属していた棋士で、将棋を恨んでいたという経験から、本作の映画化を熱望し企画実現に向けて奔走したというお話しは興味深かった。

私はこの瀬川氏の実話は本作を見るまで知らなかったが、一度挫折した人間が努力の末に夢を勝ち取る姿は素直に感動できる。

ただ「幼少期からのライバル」「将棋会館」「奨励会」などなどなど、既視感があり過ぎる。実話でありながら「3月のライオン」で描かれた世界とかぶりすぎるのだ。先行する類似性のあるヒット作があるのだから、もう少し本作ならではのアプローチを考えられなかったかなぁ?

もちろん実話だし、テーマは違うし、良い作品なんだが、それだけに「3月のライオン」との類似性が本作ならではのオリジナリティを奪ってしまっている気がして残念だ。

(なんだかムダに豪華なキャスティングで、あちこちに超有名俳優・タレントが顔を出す。やりすぎて作品を壊す瀬戸際までいってるレベル。)
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