39分の中に冷静を装いつつもエモーショナルなシーンが詰め込まれている。
青春は残酷だ。君たちは悪くない。術を知らないだけなのだから。
だけど、経験と知恵を積んだはずの私たち大人はどうだろう。
あのエンドロールで涙を流したのは何故なのだろう。人を愛する気持ちは美しい、ただそれだけで泣いた訳ではないはずだ。
また、犯人探し紛いのことを率先していた男子学生は終盤でいたたまれない気持ちになるが、横で無責任に囃し立てていた者は何も変わらない。世論やSNSの軽々しさを如実に反映してはいないだろうか。
キャストは魅力的で、演出は行き届き、エモーションがあり、メッセージがある。無理と無駄とムラがない理想的な短編だった。