『アルツハイマーを患ったシリアル・キラー』というキャラクターは面白いし、ソル・ギョングもがっつり役作りをしてきた感じだが、映画としての深みのなさが如何ともし難い。
まず『義賊型シリアル・キラー』とわかった時点でハードルが二段くらい下がったが、彼のライバルとなるアナザー・キラーのキャラが単純かつ類型的で、退屈。
クライマックスへ煽動していく演出の型も、すでに他の韓国映画で何度も観た。
『彼の父が性別を問わない虐待者』という設定は目に付いたが、全編を通し最も印象的なのは車がひっくり返るアクション場面なので、「所詮その程度の監督」と烙印を押してしまう。
別ヴァージョンを確認したくなるほど魅力的な作品ではなかった。