ノラネコの呑んで観るシネマ

模倣霊のノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

模倣霊(2017年製作の映画)
3.0
カリコレ。
5年前に幼い息子が失踪し、諦め切れないお母さんの前に、死者の声を模倣する怪異が。
本来韓国の伝説をモチーフに現代のフォークロアを構築したシンプルな話だと思うんだが、ディテールがごちゃごちゃし過ぎてとっ散らかってしまった上に、なかなか話が前に進まない。
怪異の対象が元々の妖怪、憑依されたムーダンの男、さらにその娘と三つもある上に、怪異のとる手段もまるで一貫性がない。
主人公の葛藤も、消えた息子だけじゃなく、認知症の義母もあるし。
物語の軸が定まらず、設定をある人物が全部台詞で説明しちゃうのもスマートでない。
もう少しプロットを整理して、母性の話に集約したら韓国版の「永遠のこどもたち」になったかも知れないけど、ちょっと残念な出来。
この系統には「哭声」という傑作がある分、なおさら比べられてしまう。