ガンビー教授

アナと雪の女王/家族の思い出のガンビー教授のレビュー・感想・評価

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向こうの方では、この短編のあまりの長さに映画館を間違ったと思い劇場を出る観客などもいて、苦情とともに上映が打ち切られたりなどのゴシップも聞く本作。

見ているあいだ、この印象は何かに似ているな、と思ったら、これはマイケル・アイズナーがビデオスルーで誰も求めていない続編モノを粗製乱造させていたころのディズニーの作風だった。あの、ディズニーが誰からも好かれていなかった時期に戻りたいのだろうか?

もうこれはその後の本編(リメンバー・ミー)と並べて見たら明らかなのだが、「表現したいこと」が特にないという本音、その空白を埋めるために過剰に表現技法や小手先のテクニックを乱打してみせている。そのむなしさと言ったらない。

これを退廃と言わずして何と呼べばいいのか。

念のため言っておくが、僕はFROZENという作品は好きだ。しかし本作はただひたすらおなじみのキャラクターを順を追って出しておけばみんな無条件に気に入るだろうという程度の思想のもとに構築されていて、見るに堪えない。ほんとに退廃的としか言いようがない。アナ雪っていう映画に偏見を持ってるような観客にとってまさにその偏見が強化されるような出来の作品になっていて、それでいいのか、と思う。

ピクサー映画の前に上映される短編、わりと毎回期待してるんだよ! 頼むよ!
ガンビー教授

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