きよ

バッド・ジーニアス 危険な天才たちのきよのレビュー・感想・評価

4.0
カンニングなんてどう考えても不正行為なのに、どうかバレないでくれと願わずにはいられない。やってることはカンニングだけど、その手法のユニークさや、ミッション決行時の軽快なテンポや緊張感、臨場感はスパイ映画さながら。

しかしながら、環境に恵まれない天才が身一つで成り上がっていくサクセスストーリーが大好物な私としては、結局金持ちのバカが上手く世渡りして、優秀でも一度道を踏み外すとどんどん沼にはまっていく悪循環を見ているのは、時々辛いものがあった。

教育組織が賄賂を容認していたり、権力と武力を持って他人を貶めるような理不尽をしっかり描いておきながら、それでもなお、不正を絶対悪として一貫してるのは新鮮だった。いや、不正行為そのものが悪というより、不正の代償を埋めるための不正、その悪循環を最も問題視していたし、そこから脱却することの難しさをバンクを通して見た気がする。
きよ

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