生姜異物強壮

スカイライン-奪還-の生姜異物強壮のレビュー・感想・評価

スカイライン-奪還-(2017年製作の映画)
2.4
前作『スカイライン-征服-』は、人類が征服される3日間を、1棟の高層マンションの中から描くという「世界の矮小さ加減」、「人類側の登場人物、たったそんだけの人数で要約するんかい?」という致命的なツッコミどころが低評価を招いた。

その!続編である。だから(人件費の安いカンボジアで)逃げまどう群衆のエキストラを、ど~んと30人くらい増やしてみました♪ …的なw

今回は、世界が征服され始めた3日目以降、次の数日で人類レジスタンスが反攻に転じる(って、展開 早いなww)までを、主に「母船!たけし城」の構内と「カンボジア奥地の遺跡」周り"だけ"から描くのであった。

…つまり?

驚いてくれ。この地球の運命を賭けた凶悪エイリアンとの泥沼戦は、1棟のマンションで始まり、ひとつの古代寺院跡で雌雄を決するのだ。…ち、ちっせえなあああ、ぼくらの《地球》!!

しかも(実質上の)敵キャラが、前作で大襲来した母船団のうちの、そのうちの1隻を操る"エイリアン艦長"ひとりに絞られてしまってて、余計に「話が小っちゃく」観えざるを得ない。

ストーリー序盤、主人公らは核爆発にさえ晒されるが、だからと言って街に黒い雨が降るでもなく、晴れ間も射す明るい光景のなかで(普段着のままフツーに)逃亡劇を演ずる。このあたりは(英米作品にお決まりの)おめーら被曝を丸っきり舐めてんだろ!的な非現実さ加減が鬱陶しくも感じるし。

とまあ、リブート前の『ターミネーター』シリーズみたく、この『スカイライン』もシリーズ第2作で わあっとボリューミイな《対エイリアン戦記サーガ》に開花する「かもしれないぢゃないかっ★」という儚い期待は、見事に!矮小化されたまんまの地球のなかで、なすすべもなく萎(しぼ)んでしまぃましたとさ。

最後に、ひとつだけ本作の「好意的に?評価できる部分」を挙げとくならば、前作で(格好の)ツッコミ箇所にもなった ①なぜ、光線ごときで人が釣られてゆくのか。②なぜ人間の脳が、エイリアンの造った二足歩行のクリーチャーに"そのまんま"植えられて(脳として)機能するのか? という疑問点については、明解な回答を出している……こと、かな。

それ↑とて、きょうびのSF物ネタとしちゃ「別に目新しくもない」B級半な種明かし^^; だったんだけどねー。

あ。…目新しくもない、って意味じゃ、今回の人類側「主要人物」。そのうちのひとりは《キングスマン: ゴールデン・サークル》における主要人物のひとりと、「同じカンボジアで、同じプロセスで」自ら絶命し、涙を誘う。ナンでそこ 演出カブるかなあ^^;
悲しいハズの場面なのに(苦笑いで)顔が歪んでしまったわ。ただでさえ既視感だらけなのに、ホントもう勘弁!って感じ。