とえ

ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男のとえのレビュー・感想・評価

4.5
面白かったーー!!

1980年のウィンブルドン決勝を迎えたテニスコートの緊張感が、38年の時を超えて映画を観ている私にまでピシバシ伝わってくるような、凄まじい臨場感のある映画だった!!

その決勝のコートで戦うのが「氷の男」と言われたスウェーデン人のボルグと、「悪童」と言われたアメリカ人のマッケンロー

2人の熱戦は「世紀の対決」と言われ、 のちのち語り継がれることとなる

その世紀の対決を、ただ再現するだけなら、その当時のビデオを見直すのと、あまり変わりがない

私が思わず感情移入して見入ってしまったのは、そこに至るまでの2人の軌跡が描かれていたからだった

ボルグと、マッケンローはテニスプレイヤーとしても対照的だったけれど、幼少時代も対照的で、全く異なる育ち方をしていた

そんな2人が同じ時代に生きて、互いの才能を認め合い、出会うべくしてウィンブルドン決勝のコートで巡り会う

そこに至るまでの2人の精神状態、緊張感、重圧と、息がつまるような重たい空気。
その全てがスクリーンから溢れ出るように伝わってきて、本当に素晴らしかった

そして、頂上にいる2人の最高のライバル関係とは、決してけなし合うもの、脚を引っ張り合うものでなく
てっぺんにいる2人にしかわからない目線で互いを尊重し、切磋琢磨して技術を高め合うものなのだと改めて思った

その2人の熱戦を、まるでそのまま切り取ったかのように再現しているのだけど、この臨場感がもの凄くて、思わずテレビでウィンブルドンの試合を観ている時みたいに声を上げてしまいそうになった(笑)

互いに絶対にあきらめず、最後まであきらめない熱戦に、最後は涙を流しながら観てた

緊張感もハンパなくて、映画館を出た時には、思わず胸を広げて深呼吸をしてしまった

ボルグもマッケンローも、2人が同じ時代を生きていたからこそ、最大限まで能力を発揮できたんだろうと思う
最高のライバルがいてこそ、プレイヤーは光り輝くのだ
そんな2人の高め合う関係が、とても美しく素晴らしかった
とえ

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