おなべ

ブッシュウィック-武装都市-のおなべのレビュー・感想・評価

3.5
【全篇10カット・長回し】からなるノンストップ・サバイバルアクション映画。前置きを極力省いた序盤の急展開は一切無駄が無くインパクトがあり、いきなり怒涛の展開が繰り広げられ掴みは好印象だった。中盤も銃撃戦や空爆にヒリヒリしながら紛争の全容が徐々に明らかになりつつ、最後は試行錯誤を思わせるような強引な終わり方であったが、全篇10カット・長回しという無理難題を最後まで諦めずに撮りきっていた。

ニューヨーク州 ブッシュウィックで地下鉄を降りたカップルは駅のホームで警戒を扇ぐようなアナウンスを耳にする。不審に思いながらもホームを歩いていると、突如火達磨の男が現れ、地上に出るとそこでは市民vs何者かによる銃撃戦が繰り広げられていた。

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』ドラックス役でお馴染み《デイヴ・バウティスタ》が謎の男を演じ、『ヘアスプレー』や『ピッチ・パーフェクト』でその名を馳せた《ブリタニー・スノウ》が主人公のヒロインを演じている。

正直に言うと内容は吃驚するほど全く無い。新鋭的なチャレンジ精神と根気で作り上げたような、或いは「勧善懲悪な調和はどうでも良く」「スリルのあるアクションを今までに無い斬新な方法で撮ろう」という制作陣の意気込みが伝わってくるような作品だった。

「衝撃のエンディング」と評されていたのでどれ程衝撃な展開が待ち受けているのか楽しみにしていたが、予想を超える強引な幕引きにモヤモヤが残った。
強いて言うならば、これにもう少し説明を加え、濃密な人間ドラマを展開し、納得のいく幕引きに持ち込めば尚良かったかもしれない。
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