ブッシュウィック-武装都市-の作品情報・感想・評価

ブッシュウィック-武装都市-2017年製作の映画)

Bushwick

上映日:2018年08月11日

製作国:

上映時間:94分

ジャンル:

あらすじ

ニューヨーク州・ブッシュウィック。大学生のルーシー(ブリタニー・スノウ)は家族に会うため地下鉄の駅に降り立った。異変を感じながら地上にでると、上空をヘリや戦闘機が旋回し、おびただしい数の銃弾が飛び交い、ミサイルや手榴弾がさく裂。見慣れた街が、突如戦場と化していた―。 何の前触れもなく戦闘状態の街に放り込まれ逃げ惑うルーシーだが、謎の男スチュープ(デイヴ・バウティスタ)と出会い、生き残りをかけて…

ニューヨーク州・ブッシュウィック。大学生のルーシー(ブリタニー・スノウ)は家族に会うため地下鉄の駅に降り立った。異変を感じながら地上にでると、上空をヘリや戦闘機が旋回し、おびただしい数の銃弾が飛び交い、ミサイルや手榴弾がさく裂。見慣れた街が、突如戦場と化していた―。 何の前触れもなく戦闘状態の街に放り込まれ逃げ惑うルーシーだが、謎の男スチュープ(デイヴ・バウティスタ)と出会い、生き残りをかけて戦うことを決心をする。行き交うのは謎の軍隊。誰が?何のために?なぜ殺戮するのか?見えない敵への恐怖の先に、衝撃のエンディングが待ち受ける・・・!!

「ブッシュウィック-武装都市-」に投稿された感想・評価

[突然の脅威]

「そういえば、シネマカリテにしばらく行ってないなぁ」とふと思い、「ブリグズビー・ベア」を観ようとしたが、昼間の回を見逃してしまい、ちょっとだけ評判が高い、この作品を鑑賞。

「ザ・レイド」シリーズの制作会社[XYZフィルム]の作品だと言うことで観てみたが、まぁなかなか良い。何が良いかというと、カメラアングル。登場人物を追いかけるように撮っているところは、こだわりを感じる。
これは、大ヒット中の日本映画[カメラを止めるな!]のカメラスタイルと似ている所がある。今回観た映画は、カメ止めのように、1カットではないが、[アングルを変えながら主人公を止めどなく追いかけるカメラスタイル]は、なかなかである。

そして、ブリタニー・スノウ。[ピッチパーフェクト]シリーズは、実は1回も観たことがないが、この方は存在感ある。これからも応援したい(なーに言ってんだ。俺は…)。
デイヴも、かっこよかった!

そんなに良い作品かというと、そうでもない。けど、つまらなくもないし、全然観れる作品でした。緊張感も充分伝わりました!

駅を出た瞬間、そこは戦場だった…。
全編10カット…と謳っていますが、ガチでカットが切り替わったのは数カットだけでした。

逃げ惑う2人を追いかける様にカメラがフォローしていくので、臨場感がありました。

街中を逃げ回って、爆発とかたくさんあって、これをワンカットで撮っちゃう規模感はヤバイです。
地下鉄を降りると、そこは地獄の戦場だった。


ニューヨーク、ブッシュウィックの街。
そこは様々に混じり合う人種の坩堝。
生まれ育った街に、大学院生のルーシーが恋人ホセを伴って帰ってきた。
しかし、どうにも様子がおかしい。
ホームに降りても誰もいない。
異様な静けさが辺りを包む。
訝しがりながら出口へ向かうと、階段から火だるまになった男が叫びながら駆け下りてくるではないか。
「様子を見てくる」
ルーシーの制止もきかず、ホセが外へ出た。次の瞬間、何かが轟音をたてて飛来、すぐそばで爆発が起きた。
視界がひらけると、焼け爛れたホセが転がり、倒れてきた。
一体なにが起きたのか?
これは現実なのか?
倒れている男が本当に恋人であるなら病院へ連れていかなければならない。
ルーシーは、もつれる足に必死に力を込め、助けを求めるために駆け出した。
はたして、目に映ったそれは、見知った街ではなかった。
いや、たしかにそこはブッシュウィックであった。
しかし、灰色の空には戦闘ヘリが旋回し、絶え間なく銃声が響き、そこかしこで何かが爆発していた。
そして、銃声が轟くたびに誰かの悲鳴が重なった。
ルーシーの故郷は、いまや人の命を喰らう無慈悲な戦場と化していた。


不気味なオープニングは、あっという間に終わりを告げて、観ている者はルーシーと同化したかのように戦場と化した街に放り込まれる。
そこから先も、ずっと銃声が途絶えることはない。
全編をわずか10カットという長回しで通し、あの「トゥモローワールド」で強く印象に残った終盤の戦場を駆け抜けてゆくワンカット長回しを思い起こさせる、硬質な殺伐さを強制的に五感で感じさせる迫力が、決して視線をそらさせない。

かと言って、極度の緊張のみで構成されているわけではなく、適度に休憩的な、一呼吸落ち着かせるための場面も点在する。
しかし、不穏な空気が払拭されることはない。
常に、誰かに追われ、狙われているのだ。


この映画にストーリー性は無い。
主人公たちの行動を通して、極めて現実的なアメリカ自身の危機を局地的に描いているにすぎない。
ルーシー、そして彼女を助けたスティープには、いくつかのミッションが与えられ、生き残るために彼らはそれをクリアしてゆく。
だが現実は厳しく、そこには夢のようなヒーローなど存在しないのだ。


敵の正体も、戦闘になった経緯も、その全てが衝撃的。
アメリカという国が、いままさに歴史を繰り返そうとしている。
それがまざまざと分かる。
このまま無責任に放っておけば、ある日起きると戦争になっていてもおかしくないんだぞと、この映画は声高にメッセージを発信している。
巨大な国家も、所詮は寄せ集めにすぎないのだ、とも。

人は二人いれば、どちらかが死ぬまで殺しあう。
そんなものは与太話だと多くの者は思う。
人は助け合うことができる。
愛し合うこともできる。
しかしそれならば、殺しあうこともまた、哀しいができてしまうのだ。

映画は、ほんの数時間前までは知り合いでさえなかったルーシーとスティープが生き残るために共存する姿を中心に描いている。
お互いを知るうちに、本当の意味で打ち解けてゆく二人。
こうした人間の善なる一面を描きつつ、戦う者たちがいとも容易く他者を撃ち殺していく様を何度も何度も容赦なく見せつける。
この二面性こそが人間なのだと、その性を、乾いたカメラが追い続ける。
そして、どこまでも執拗に、不毛な命のやりとりを映す。
「あなたは、こんな恐ろしい世界に、いま生きているんですよ」
まるで、そう言いたげに。


襲われたからといって、いきなり一般市民が武装蜂起できるわけではない我々日本人からすると、どうにもピンとこず、非現実的なSFに思えるかもしれない。
しかしながら、現代が人類の歴史上でも極めて混沌とした時代であるのは、もはや疑いようのない事実であるし、日本はその最先端を突っ走っている国家である。
遠い異国のこと、対岸の火事。
そんな風に簡単に切り捨てられる時代は終わった。
日本もまた、いついかなる時も、内外の脅威に晒されているのだから・・・


やはり混沌としていた70年代をそこはかとなく匂わせる作風が、突き放したリアルなラストに免罪符を与えている。
言いようのしれない重苦しさが、観終わってもしばらくは消えてくれず、暗澹たる思いが尾を引いた。

鑑賞した劇場はビルの地下にあった。
鑑賞後、重い足取りで階段を登ってゆくと、そこには煌びやかな新宿の喧騒があった。
ふと、頭の中をある想像が過った。
「もし、今この街でブッシュウィックのように弾丸が飛び交っていたら、一体どうなってしまうのであろうか」
自分なら、一歩外へ踏み出しただけで蜂の巣にされるか、はたまたミサイルで木っ端微塵にされるか・・・とにかく生き残れはしないであろう。
そんな想像に思わず身震いしながら、(たとえ虚構の如きだとしても)平和な光の海に漕ぎだした夜だった。



撃たれたら死ぬ。
そんなリアルなら欲しくない。


P.S.
実際のブッシュウィックは、アーティストや中間層の人々が越してきて、だいぶオシャレな街に様変わりしてきているそうですが、そんな新しい住人たちも劇中同様、銃をとって戦いだすのでしょうか。
内政や銃規制など、アメリカの抱える暗部が浮き彫りにされる内容に、本国では話題になった作品だそうですが、アメリカとの一蓮托生を選択している日本に生きる者として、非常に興味深く、そして恐怖を感じながらの鑑賞となりました。


劇場(新宿シネマカリテ)にて
記録

記録の感想・評価

3.7
ずっと緊張が張り詰めていたので観終わった後いい意味でドッと疲れた。主人公と一緒に行動してるような長回しのカメラワークが臨場感あってハラハラする。かなり効いてる演出だと思う。中心人物2人に思わぬ出来事が起こるところがリアルで良いと思った。
mpc

mpcの感想・評価

3.4
クローバーフィールドのブルックリン版?
冒頭からワンカット長回しを売りにしてます!アピールが少々疲れるけど戦闘ゲーム好きには堪らないのでは。

ストーリーは異星人相手ではなく、分断アメリカの国内バトルのお話。
地味保守州vs都会リベラル州のバトルものでまたもやお安い反トランプ映画みせられてる気はしたけど、、🙀


ワンカットで話に引き込まれるけど、やっぱ舞台がブルックリンだと絵柄が地味だなあ、、

自由の女神やエンパイアステートなどのランドマークが出てこないとこうまで盛り上がりに違いが出るとは😹💦


ラストはえっ!!😹💦?てなる。悪い意味で。。
あら松

あら松の感想・評価

4.2
当初ゴリゴリにスルーしてたけど、カット途切れない系アクションスリラーと聞いて、絶対見なきゃと。

期待通り、開始5分から最後までずっと緊張感が続き、シナリオ、テーマ、技法の全てが濃密に絡み合う超快作!小規模公開なのが勿体ない!!!!

何が起こってるか分からないうちに状況に巻き込まれ、寄る者全てに対して疑心暗鬼になり、頼る神もなく、ただ身一つで生き残る街中サバイバル。
今アメリカや、日本も含めた世界で起こっていること、あるいはそれを見越した未来を予見するリアルな寓話。
想像してたより圧倒的に面白かったのですが、ピッチパーフェクトのブリタニースノウとガーディアンズオブギャラクシーバティスタが出てそのハードなストーリー展開ですってちょっと思いました。長回し確かに凄いですが、それよりもなんというか誠実なカメラワークでまるで戦場にいるかのような臨場感とはこのことだなポールグリーングラスさん見習ってと思いました。クーデターとかパージ、あとは宇宙戦争好きな人おすすめです。
ako

akoの感想・評価

3.3
音楽がエモい。
小さい頃に缶蹴りとかコンクリート鬼が好きだった人はきっと楽しめるはず…
地下鉄を出たら鳴り響くサイレンと銃声、撃ち合う人々、状況一切不明。
この状態がゾンビパニックの始まりのようでワクワクする。

弾丸と殺意の飛び交う戦場と化した市街地を驚異の長回し撮影が緊張感を加速させる。
さっきまで生きてた人が1秒後に死んでるという容赦ない恐怖を存分に味わえる!あとケガが色々と痛い!

全国民がバーサーカー化してオーウェン・ウィルソン一家を殺しにかかってくる『クーデター』が好きな人にはオススメ!


突如無法地帯の戦場と化したブッシュウィックを逃げ回る臨場感は主役級のキャラとて予定調和、お約束なしの無慈悲なサバイバル。カメラの長回しが本当に凄いので息が詰まる。

このレビューはネタバレを含みます

故郷の街に帰省した女子大生が、焦土と化した街と正体不明の武装部隊に遭遇する。

敵の武装部隊と町の住人との戦闘や暴徒に襲われながらも、途中で出会った元軍人の屈強な男性とともに家族を探しつつ脱出を図るが、物語の真ん中あたりで敵兵を捉え、その正体と目的を知ることになる。

一部の州が米国から独立して新たな国を作る...というのがその核心。
あながち荒唐無稽とも言い切れず、奇妙なリアリティが有るのが物語としての魅力であろうが、物語はサバイバル劇としてその後も進行し、非武装地帯への脱出を試みるも結局は主人公もその妹も相棒の男性も敵方の兇弾に斃れ、抗争の混沌の継続を匂わせて幕を閉じる。

結末自体はそれもあり、だとは思うが、画として気になったのが主人公のキャスティング。
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のドラッグスでお馴染みのデイヴ=バウティスタが壮年の屈強な男性なので、主人公はそれと対比させるようにより年若く健気で非力な、女子高生ぐらいの女性が良かったのではないかと思う。
ブリタニー=スノウ演じる本作の主人公は大学院生の女性ということで微妙に歳を食っており、見た目としてもさほど若くないため、二人揃っての画のコントラストがイマイチである。
第一義的にサバイバル劇なので、「非力な人間も懸命に生を得ようと足掻いている」という展開にこそ共感が生まれうるのであって、かの名作漫画『北斗の拳』のサブキャラクターの少女リンが子供の頃はよくキャラが立っていたのに後篇で大人の女性になってからは魅力がどうにも薄れてしまったのに近い印象かもしれない。

また、テロで息子を失った屈強な相方男性が軍に志願し、イラクで戦争の虚しさをつくづく感じて争いに心底嫌気がさした、という設定なので、それと対比させるように生命の極限状況に在る主人公の非力な女性が次第に好戦的になっていく...という構図をとれば「力の皮肉」も巧く描けたのではないかと惜しい気持ちになる。

「多民族国家や、膨大な数の人間を一つに束ねるイデオロギーの脆さ危うさ」という意味合いでは中国や、ある意味ではEUなどの連合体への警鐘作として、説教臭くない娯楽作の形で提示し得るかとも感じたので、尚のこともう少し内容を練れば佳作となり得たのではないかと感じた次第。
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