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V.I.P. 修羅の獣たちのtakanoひねもすのたりのレビュー・感想・評価

V.I.P. 修羅の獣たち(2017年製作の映画)
3.4
再鑑賞
 
北朝鮮からの亡命者・エリート高官の息子で鬼畜連続殺人鬼のキム・グァンイル(イ・ジョンソク)彼を保護する任務の国家情報院・パク・ジェヒョク(チャン・ドンゴン)連続殺人事件を担当しグァンイル逮捕に奔走する警視チェ・イド(キム・ミョンミン)復讐するため彼を追う北朝鮮の工作員リ・デボム(パク・ヒスン)四者四様の思惑が交差するクライムアクション

オープニングとエピローグが抜群に好み
呼び出されてトカレフ渡されてビルにin→銃撃戦のカメラワークがとても良き

奴の体の各部位に3発づつ(イドとデボムと被害者の分)ぶち込むくらいやっても良かった、いやでもリュックの中身で相殺か、あそこまでやるとは思ってなかった、つかあれ「誠君ならそこにいますよ@スクールデイズ」オマージュの可能性が?(ない)

CIAのおっさんの演技が浮いてた印象
それに現代物にしては人物像が古臭くさい、70〜80年代(ウォーターゲート事件辺りの時代)なら違和感無いけど
ピーター・ストーメア自身の演技か、演出の問題か分からんけど

保身を図る上司によって信念を持つ人間が潰される超胸糞展開は韓国映画のほぼ伝統
北と南の位置関係にイドとデボムを配置、クソい上司に振り回されるのも、奴に出し抜かれるのも軌跡は同じ、最後まで粘っても報われなさも同様

グァンイルVIP待遇の背景に北の指導者の不正の証拠に外貨の流れの情報が必要不可欠だってのは理解するけど注釈無く"39号室"を出しただけで把握できるかどうか……作品のネタのひとつは2005年の米の金融制裁だと思う

クソ野郎を葬り去ったところでジェヒョクの背負った憂いは拭えないというラストの薄暗さ
良いね