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はじめてのおもてなしのmaverickのレビュー・感想・評価

はじめてのおもてなし(2016年製作の映画)
4.6
これは良質な作品。韓国映画、インド映画に加え、最近の自分の中でドイツ映画も注目しているのだが、本作もクオリティが非常に高かった。ちなみに本作は2016年のドイツ国内の興業収入1位に輝いている。社会問題も取り入れたテーマ性も素晴らしく、ユーモアと感動とで満たされる映画。これは韓国、インド、ドイツのヒットする作品に共通している。社会問題というのがやはり大きくて、そこが観る人にしっかりと共感されるポイントなんだと思う。邦画に足りないのはここなんだよなぁ…。ドイツでは難民問題が非常に深刻で、そうした作品は多々作られている。日本でも外国人労働者をどんどん増やす政策が取られており、こうした難民問題は日本にも間違いなく起こりうること。様々な国で増えすぎる難民に対しての不満が爆発しており、ヘイトは政府のみならず彼ら難民にも向けられる。本作では正にそうしたテーマを扱っている。難民の黒人青年を受け入れることで、ちぐはぐだった家族が本来の幸せな姿に再生する話。境遇も考え方も違うこの青年から、様々なことを教わるのだ。受け入れ、助けの手を差しのべた家族が彼に助けられる。やり過ぎなくらいにコメディな描写であったりもするのだが、締める所はきちんと締める心温まる物語。本作を通して、観てる我々も はっと気付かされることがたくさんあるはずだ。キャストは誰も知らなかったが、本当にみんな上手い。ドイツ映画も安心して観れるなぁ。日本で有名な監督でもキャストでもないマイナー映画であるが、これは間違いなく良作。最近ハズレな映画の鑑賞が続いていたから、一気に心が洗われた。ドイツ映画はナチスものだけじゃないんだぜ!と。
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