レバノンとパレスチナ難民の歴史や背景について深くは知らない。
知ることでまた違う見方ができると思う。
しかしそれ抜きにしても、人が誰しも大小抱える心の傷と譲れない部分、怒りや悲しみが生々しく感じられる。
激しくいがみ合う二人だが、法廷で争う内に互いの事情を知り、心情に変化が現れる。
やはり根源的に、人としての優しさを持ち合わせていることが描かれるエピソードに救いが見える。その描き方が秀逸。
結末はとても納得のいくもの。ラストシーンの二人の表情が素晴らしい。
人は悲しい歴史を繰り返すが、やはり僕は性善説を信じたい。