何だろう、これ、すごく好きなやつだ。
おそらく精神障害の類だろう、奇行を繰り返す母親。だけど娘に対する愛情は常にあって。
その娘マチルドは、そんな奇行に悩まされながらもやっぱりママが大好きで。
幼い頃から特殊な環境で育つと、あたかもそれが当たり前だと思ってしまいがちだ。私も似た境遇だったから良くわかる。
だけど大きくなっていくにつれ、生じてくる違和感。それを敏感に察して孤独を感じる少女の葛藤が切ない。
しかしその描写が決して暗いものではないのが良い。いくつかのエピソードに分けて描かれるんだけど、特に人体標本のくだりは何とも言えぬ魅力があり引き込まれた。
あと忘れちゃいけないのがフクロウの存在。(※ここからややレビューのトーンが変わります)
可愛い過ぎるでしょ!
可愛い過ぎるでしょうよ!!
なんなのあの登場シーン、「ジャーン!」て!!萌え死にしそうになったわ。
モフモフで可愛い顔してるクセに毒舌だし。もう早くも本年「動物キャラクター賞」グランプリ決定。
ふう。トーンを元に戻します。
重いお話なのに重くなり過ぎない。
マチルドの行動だったり、ポップな洋服、髪型だったり。喋るフクロウの存在だったり。その辺りのバランス感(アンバランス感?)が絶妙で、早くも本年ベスト級。
闇があるから光は明るく輝くのだ。