くぅー

判決、ふたつの希望のくぅーのレビュー・感想・評価

判決、ふたつの希望(2017年製作の映画)
4.2
my映画館2018#83> 英題"The Insult"は"侮辱"・・・カッとなり侮辱の暴言を吐き、後日侮辱された方もさらなる侮辱で罵倒し、謝罪どころか思わず暴力を振るい、訴訟へ。

そんな当事者二人はパレスチナ難民とレバノン人であり、そこにはレバノン内戦という過去が深く横たわり・・・裁判が進んで行くうちにその構図が浮き彫りとなり、本人達の思惑とは違うところで話は大きくなり、外野が暴れ出し、ケガ人も出る等収拾が着かなくなって行く。

結局は二人は悪人ではないが、頑固な似た者同士で、互いに意地で引かず・・・裁判はある意味残酷であり、二人の家族の隠したい過去も明るみになり、やっと後悔するのだった。

判決後の二人・・・勝ち負け云々ではなく、互いの痛みを知り、安堵の表情を浮かべてるのが印象的。

ただし、もっと早く安堵できたはずなのに、まるで内戦を繰り返したかの様な応酬劇をしてしまい・・・つくづく人間のエゴって厄介だなぁと思ったのも確か。

そう、煽りだとかヘイトだとか、些細な怒りから来る残念なニュースが増えてる我が国・・・社会人は是非とも見て頂きたい作品です。
くぅー

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