「マイマザー」を撮影したドランの年にどんどん近づいていく。
だから、このドキュメンタリーと今の自分と比べてしまう。
比べようもないのだけれど。
私たちの世代にとって最も近い年齢の映画界のヒーローは彼である。
ドランに憧れる一方で、分かりきってるけど、ドランにはなれないし、
そもそも私はドランではない。
私は自分のやりたい事が出来ない自分にイライラするし、
結局それを実現するエネルギーも度胸もない。
彼を観ていると苦しい程に羨ましく、情けない自分に哀しくなる。
私には卓抜した才能も無いし、突き抜けるエネルギーも無い。
マジョリティにもマイノリティにもなれなくて、
友達もいるし、いじめを受けている訳でもないけど、
こんな話を出来る人はいない。
けれど、絶対的な孤独というのをこう、
ドランの映画を観ることによって落ち着けている気も、
いやため込んで、いつか爆発するのかもしれないが。
そう、とにかくドランの映画が好きなのだ。
ドランに自分自身を重ねる事はできないし、
ドランに憧れることさえおこがましいけれど、ドランをこれからも
追い続けたい。