やっぱ俺らにとってのヒーローって、アイアンマンとかバットマンみたいな金持ちで髭の濃いおっさんじゃなくて、生意気で軽率に失敗するけどとにかく「ネバり強い」こいつだったよな。そういえば昔、俺らにとって映画といえば『スパイダーマン』だったよな、とガキんちょの頃を思い出させてくれるド快作。ガキんちょの意見で申し訳ないけど。
MCUはシリーズを通して全体的にユーモアをすごく大事にしていて、そんなところが他のシリーズ映画と比べて特に好きなところなんだけど、中には本筋と全く関係ないネタを急に入れて「はいユーモア出来上がり」みたいな顔してる映画もあったりする。その点この映画は、劇中挟まれるユーモアの一個一個が後々のシーンで伏線として回収されていくから脱帽。
ミッション:インポッシブルシリーズよろしく映画内で旅行してくれる展開が楽しいし、ミステリオには「マーベルお前まだそんなヴィラン作れたのかよ」と驚かされるし、眩暈のするような戦闘シーンもおれは大好物。戦闘シーンだけでいえば『スパイダーバース』より全然センスあると思う。あの映画はもっと他の部分がすごいわけだけど。
スパイダー・ムズムズに焦点をあてたストーリーも素晴らしかった。MCU版のスパイダーマンはやっぱりトキメキが違う。心の底から熱くさせてくれる。理屈よりも映像で全部見せてくれるもん。
ツェッペリン(※正しくはAC/DC)が流れるシーンもアツかったね。エンドゲームで燃え尽きちゃって以来、おれはなんとなくMCUを追いかけるのはやめちゃってたんだけど、この映画はシリーズを追いかけてた時のトキメキを思い出させてくれました。やっぱ俺らのヒーローはスパイディだぜ。