こしょう

スパイダーマン:ファー・フロム・ホームのこしょうのレビュー・感想・評価

4.5
ポストエンドゲーム第一作として、ノリの適切さ、キャラのかわいさ、アベンジャーズロスを感じているファンへの目配り、これからへの期待感など、満点に近いと思う。そして、トムホスパイディとしても前作より面白い。それはMJがかわいくなっていることが最大の要因だろう。それと、トムホスパイディの成長がきちんと描かれる青春映画であることも大きい。

一方、予告編でも使われていたスパイディノワールとなったプラハでの塔を駆け上がるアクションシーンをはじめとして、全体的にあまり高さを活かしたアクションとはやはり思えず、そこは残念ではある。
しかし、サム・ライミ版スパイディで、ヒーローと普通の自分との狭間で悩むピーターはウェブが出なくなったことがあったが、今回もアイアンマンの不在に悩むピーターにある症状が現れる。その設定はドラマのカタルシスにはそれほど効果を感じられないが、それを活かしたアクションシーンは十分であるし、そのアクションが含まれるロンドンのアクションパートはかなりの見応え。
また、最後にニューヨークの街中をスイングするスパイディのシーンがあるが、その爽快感はクロニクルで初めて空を飛ぶデインデハーンの主観シーンを思い出すほどであり、それは当然映像だけの効果ではなく、それまでの展開と映像がマッチした結果だろう。
さらに、その直後のサプライズはサム・ライミ版スパイディからのある人の続投と、スパイディとしても一大事、という二重の驚きになっていて、そして暗転。という構成は、次作への期待を嫌が応にも高めてくれる。
何より私たちがネットやテレビで何かを見る時に、どのように判断するのか。これだけ情報量が多く、映像ではなんでもできてしまう時代の映画として、本編でテーマにしながらエンドクレジット後の映像でも突きつけてくるのもすごいことではないだろうか。
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