あんず

ダンシング・ベートーヴェンのあんずのレビュー・感想・評価

3.7
もっとバレエの舞台シーンが沢山観られるかと期待していたんだけど、インタビューとか練習風景、ダンサーの怪我や妊娠など舞台裏のシーンも多く、どっち付かずの印象で勿体なかった。

第九のバレエって観たことがなく、すごくワクワクした。ダンサーのしなやかで強く美しい肉体の躍動する様は、それ自体が芸術作品のよう。動き=音となるように振り付けされていて、それが聴力を失ったベートーヴェンにも音が見えるようにしたというような説明があった。確かに💡ベートーヴェンは自分で作った傑作を頭の中では音が響いているのかもしれないけれど、音楽として耳から聴くことは出来なかったのだな~と当たり前のことに驚いた。

「人類みな兄弟」というテーマも何度も強調されており、色々な国籍の様々な人種の人たちが共に踊り、オーケストラを奏で、合唱していた。こんな素敵なシーンなんだから、もっと観せてよ~❕と思った。日本の観客の驚きと歓喜に満ちた表情がとっても生き生きしていた。

バレエってただ美しいだけのものではなく、この前観た『愛と哀しみのボレロ』のボレロも強いメッセージを持っていた。人間の太古から失われることなくある原始的な感情にダイレクトに働きかけている気がした。

私がバレエを初めて生で観たのは社会人になってから。日本だとチケットが高くてなかなか行けないので、ニューヨーク旅行の際に安い席を買って観た。あまりの美しさに「私はどうしてこんなに美しいものを観ずに、今まで生きて来てしまったんだろう。若い時に観ていたら、人生変わっていたかもしれない」と思ったほど。

芸術の力は偉大✨美しさの裏の努力も偉大✨✨
あんず

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