真田ピロシキ

ジョン・ウィック:パラベラムの真田ピロシキのレビュー・感想・評価

3.7
2は面白かったが相撲アサシン以外あまり思い出せないのでこの映画がなんでこんな話になってるのか分からない。ホテル内で人を殺した?言われてみるとそんなことあったような。

そんな訳でストーリーの理解を諦めてアクションに専念して見た。大男の倒し方、途中から手段でなく目的化したようなナイフの投げ合い、馬を用いた環境キル。そしてジョン・ウィックと言ったら犬。今までは殺されたりマスコットの役割だったが今回はハル・ベリー演じるソフィアさんの犬が人間のお株を奪う連続キル。犬があんな高い所に行けるとは犬の強さを分かっていなかった。メタルギアソリッドVの有能犬(狼)D-Dogですらこの犬を見た後ではチワワのようだ。犬劇場の終了後も『悪女』を思い出させるバイクチェイスシーンを挟み始まる最終決戦。防弾性の高いアーマーに身を包んだ敵部隊であるが、常人を相手にするならいざ知らず、普段から必ず2発以上の銃弾を叩き込んでたジョン・ウィックを敵に回してはただぶち込まれる弾数が増えて苦しみが増すだけ。貫通するショットガンに持ち替えてからは完全なるオーバーキル。ウィック先生は誰が相手でもブレない。最終決戦は寿司屋のゼロさんとの近接対決になるがここはちょっと蛇足だったかな。ゼロさんと戦う前にも前座として弟子達との対戦があって長かったのがあるし、また会おうと殺さずに済ませた2人組の方が印象に残ってゼロさんは霞んでしまった。全体的にゲームのような映画であるがラスボスがイベントなのも今時のゲーム的だ。

アクションで映画にハマってたのでストーリーも途中から割と真剣に追うことが出来た。ルールや忠誠心を押し付けてくる連中なんてファックだ。うん、よく分かる。あんな所やこんな所で、つーかここで悪法や愛国心で人を縛ろうとする事例を目にしますものね。こんな荒唐無稽な映画であるが「権力に阿るな。自分の心の声に従え」という今の時代大切なメッセージを発してくる本作は前2作より深化したと感じた。「味方面した奴に気を付けろよ」という言葉も添えて。

1以来に犬が殺されるのだが、手を下すのが1では『ゲーム・オブ・スローンズ』のシオンで今回はブロンというね。意図的なんだろうか。確かに犬(大狼)がよく死ぬドラマではあったが。