このレビューはネタバレを含みます
犬を飼う人と犬を食べる人が共存する巨大な団地で起こった連続小犬失踪事件。イ・ソンジェ演じる大学講師ユンジュが、犬を殺す人→犬を飼う人→犬を捜す人へと変わってゆく皮肉な展開を通して、犬食文化、賄賂文化、唾吐きなど、韓国の痛いところをチクチクするシニカルなブラックコメディ。
とにかく、犯人逮捕に燃えるペ・ドゥナ演じる天然娘ヒョンナムが可愛い。
黄色いパーカーのフードをギュッと締めて気合いを入れ、空回りしまくる姿に萌え萌え。応援団が紙吹雪を散らしてエールを送る妄想をしながら犬を救出するシーンは必見です。
漫画的な演出で描かれるイ・ソンジェとペ・ドゥナが追いかけっこするシーンやポン・ジュノ監督の代名詞となる跳び蹴りで車のサイドミラーを破壊シーンなど、みどころも盛り沢山。
ピョン・ヒボン演じる警備員が語る「怪談ボイラー・キムさん」は要チェック。稲川淳二を彷彿とさせる巧みな話術と顔芸で話に引き込まれること間違いなしです。
最後まで皮肉の効いた「まぁ、結局、現実はそんなもんだ…」的なラストシーンもたまりません。