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ターミネーター ニュー・フェイトのjamiのレビュー・感想・評価

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傑作な気がしてきた。

キャメロン節(女性主人公の力強さ)は彼の専売特許にしてはあまりにも普遍性が強くてズルい。結局リプリーも彼のテーマ性によってキャラ化してしまったと思うし、アリータという映画もそういうことでしかない。アバター3も4もきっとそういうことでしかないはずであり、しかし彼の作る金太郎飴はシンプルストロングなので万人にとって魅力がある。というわけでこの作品は、三者三様の女性キャラクターの活躍に見えつつも、「キャメロン節3倍増し」みたいな映画なのである。初見だと、この本質によってむしろ3倍希釈の薄味映画に見えたのだと思うが、あらためて全体をざっくり見てみたところ、男性性の善悪を象徴するターミネーターの怖さかっこよさがちゃんと描かれていたり、一作目のオマージュに満ちていたりと、ターミネーター完結編としてしっかり作られている。ラストも「完」が似合う堂々とした感じで清々しい。タイムトラベルものの不思議な感じもある。抑えるべきところを抑え、またターミネーターとは何なのかが芯を食って捉えられており、さすが生みの親である。ただ全体としては「俺のターミネーターだから。充分こすったよな。もうおわりー!」って感じ。庵野秀明のシンエヴァと同じ類。「もういい加減終わらせるよ〜!映画」だ。あっさりしたさっぱりした映画だ。何が起こってるのかわかりやすいのも、あっさりさっぱりの要因。
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