jami

アバター:ウェイ・オブ・ウォーターのjamiのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

あまり期待していなかったので、これまで見てこなかったのですが、レミノ解約が近づき、ポイントを使って0円で見てみることにしました。

一言で言うと、複雑さがとても良かったです。ファミリームービーと言える映画なのでスコアは4.5です。教育的に過ぎる感もあります。

キャメロンといえば2作目です。スコットの地味なエイリアンをあのような形でエンタメに仕上げてしまえた人であり、自前のターミネーターで言えば続編の方が面白いわけです。公開前は楽しみにしていました。結果としては、やはり2作目の人でした。大筋は1と同じなのに、群像劇なので複雑さが増しています。「人間が描けている」という水準ではなかろうか、と思います。

宮崎駿オマージュは複数あります。ナウシカの「金色の野」はそのままですが、ラピュタでの「太い蔦を銃弾が射抜く」という表現や、子供向け映画なのに腕が千切れるのはもののけです。あとほかにもあったと思います。

ゴジラ最新作もそうでしたが、序盤はつまらない映画です。次男の物語が始まってからがとても面白いです。この作品の主人公はロアクです。

作りが、映画というよりは連続ドラマです。現にこの後の展開も既に作られていると聞きます。テーマは散漫ですが、そこが逆に個人的には良かったわけで、一作目の一直線な感じを反省点にしたのかもしれません。

3作目は想像もできません。全く違うものになると思われます。今回、母親というテーマは存分に描かれていましたし、普通に考えれば嫡子ロアクとターザン・スパイダー、及び能力者キリの冒険が描かれるのでしょう。今回は「サイの角」のメタファーが描かれましたが、闇取引とか金持ちとか、そのへんをやっつけるような、「買うやつが一番悪くね?」みたいな映画になるのかもしれません。ただ捕鯨はたぶん今後防げそうなので、別の天然資源を再設定するとか。あるいは政治的な感じは無しで、キリの設定深掘り。こうなると予想は不可能。

この映画の「盛り上がり」は考えさせられるものがありました。ロアクの友達が怒り、敵船を攻撃したところからクライマックスに雪崩れ込みますが、残虐な人間どもが殺されていくことの快感は凄まじいものがありました。カタルシスというやつです。悪人を殺すのは快感を伴うということを体感できます。本当に気持ちいいです。そして思いました。映画がプロパガンダに使われるのはこういうことか、と。映画は作る目的によっては危険なものだと、はっきり分かりました。

細かいところで言うと、キリが酸素ボンベ生物を母親と妹の分まで用意しなかったのも良かった。生物は道具じゃないからね。
死を悼むことができるのも、アメリカ映画の良さだなあと感じた。なぜか日本人は死を悼むことができない。儀礼に関して幼稚。しかしそれは無宗教と関連しているはずで、日本の良さでもある。難しい。
船が回転して内部で頑張るシーンもダイナミックな演出でよかった。作るの難しそうなシーン。
目の形や大きさに、漫画の影響を感じた。ここでの取り組みがアリータに生かされたのかも。
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