takanoひねもすのたり

ファウストのtakanoひねもすのたりのレビュー・感想・評価

ファウスト(1994年製作の映画)
3.4
独自解釈が過ぎて元ネタを知っていても、さっぱり分からないシュワンクマイエル監督作品。
(褒めてる)

学者であらゆる学問を知り尽くし退屈しくさっているファウスト博士。
奇妙な地図に導かれると、そこは地下の劇場で舞台では『ファウスト』を、ステージ裏は錬金術の実験場。
悪魔メフィストフェレスを呼び出し、この世のあらゆる悦楽と愉悦を我に与えよ、魂と交換して契約を結ぶも、ファウスト博士は飽きてしまう。何とか悪魔の魂の取り立てから逃れようと画策するが、容赦なく命は持っていかれてしまう。という話(多分)

原典にはグレートヒェンという街娘が登場し彼と恋に落ちるのですが、監督の解釈によりメフィストフェレスが変身した姿に。
恋人達の睦み合いは、悪魔が股間に開けた穴(木製)そこ突っ込んでち〇〇痛くないんすか?案件に……。

人形劇と現実劇がシームレスに繋がるので(いつもの監督の演出といえばそうなんですが)観てるこちらは、視覚的にちょっと騙される感。
(何度も登場するナマハゲみたいなビジュアルの人形が妙に親近感)

しかし毎度ですが、食事シーンが全くおいしそうに観えない。
生理的にぞぞっとしたのは、食べ物に紐付き鍵を仕込んであった場面。

食欲と性欲を一種のメタファーとして使ってるのは分かるのですが、監督の食べ物への頓着の無さというか不味そうに料理を映すことへのブレの無さは一体何故……。

ところで脚持っていったじいさんです。
彼の役目は何だったのか謎。