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レット・ザ・サンシャイン・インのSY3KRのレビュー・感想・評価

2.5
フランスの巨匠であるクレール・ドニ監督がジュリエット・ビノシュを主演に綴るラブストーリー。日本ではかつて東京国際映画祭で公開され、いくつかの映画館でイベント上映の機会があったがそれっきり。現在、日本で見る手段はない。

見終わった後は「なんちゅー映画や…」と唖然としてしまった。物語的な起承転結はないに等しく、主人公イザベルの破天荒な恋愛模様がひたすら描かれていくだけなのだから。ジュリエット・ビノシュはオープニングから一糸纏わぬ肢体を披露し、情緒不安定なイサベルのキャラクターを熱演している。この点は本当に素晴らしい。

ただ、内容はよく分からんの一言に尽きる。個人的には、イサベルからいくつになっても変わらない人間の愚かさを感じ取った。50も過ぎて衝動的な恋愛に溺れ、失敗しても何も学ばない彼女は滑稽そのもの。これを「人間らしい」と誉めることもできるだろうが、やっぱりどう見ても馬鹿だし惨めな人だと思う。愛着を持つのはちょっと無理な人間像だ。

それでも批評家は常に理想的な人間よりも歪なダメ人間を愛し、賞賛する。本作もその典型例と言える。まあ、こんなヤバい人物を主人公にするのは確かにチャレンジングだし、今までに見たことがないと言えばそうなんですが。

⚫︎トマトメーター
・批評家支持率:87%
・観客支持率 :32%
「本作はジュリエット・ビノシュの力強い演技と、クレール・ドニ監督が最も得意とする重層的なドラマで構成されている。」
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