オリジナル版は大ファンなので多少辛めの採点です。
最近大好きな映画「50回目のファーストキス」のリメイク版の出来にガッカリしたので恐る恐る鑑賞しました。
「50回目〜」と同じくストーリーラインは全く一緒でしたが安室奈美恵や小室哲哉サウンドにより今作ならではのオリジナリティと作る意義を獲得したのではないでしょうか。
「マンマミーア」も意識に入れたのかはわかりませんがOPだけだったミュージカル演出はなんだったのでしょう?
役者陣は概ね素晴らしく現代パートでは渡辺直美と ともさかりえが素晴らしかったです。
特に ともさかりえはオリジナルに非常に似ていてビックリしました。
過去パートは今や学園モノには欠かせない富田望生が貫禄の演技でした。
韓国版でキャラ付けのリアリティラインが一人だけ違った武器を持つとキレる文学少女を削ったのは理解できますが、やはり集団モノは7人の方が良かったのではと思います。ラストのカタルシスが少し減退したと感じました。
娘がいじめられているエピソードを削ったため主役であるはずのナミのキャラが薄くなり現実の家族に興味が無い様にうつってしまっています。
高校生パートを90年代のギャルに設定した為に皆ギャルファッションでオリジナル版に比べて一人一人の個性が感じられませんでした。
人気女優を多数使っているのでサニーのメンバーにイマイチ感情移入がしにくいという弊害がありました。
韓国版は知らない女優ばかりだったので俺たちのサニー感が出ていたと思います。
「今の子は静かだね。あの頃はいつも馬鹿みたいに笑ってた。」的なセリフが最悪にダサすぎました。こういうのはやめて欲しかった。
あと関西人としてはナチュラルな関西ディスは断固として否をとなえます。
個人的には三浦春馬の役とほぼ同年代なのですが東京はあんな修羅の国というか「特攻の拓」の乱高みたいな状況だったのでしょうか。
オリジナル版でも感じたのですがヤク中(韓国版はシンナー中毒)の子にもなんらかの救いを描いては欲しかったです。
今作の芹香にあたるチュナの連続蹴りや奈々にあたるスジのタバコを投げつけてからの前蹴りなどアクション描写はオリジナルに軍配が上がります。
まあラストに皆んなが踊る映画は問答無用でアガるんですけど。