モモモ

リズと青い鳥のモモモのレビュー・感想・評価

リズと青い鳥(2018年製作の映画)
4.3
原作は未読、アニメシリーズも未視聴で挑んだが予想通り山田尚子にねじ伏せられる結果になりました。
主人公の心情を、性格を、人となりを作品全てで表現する様な静かな傑作。
愛情、執着、嫉妬、孤独、様々な感情の同居を描く物語に魅了される90分。
ただ校門から教室に向かうだけの冒頭から目が離せない。
圧倒的なコンテ力と心地よい編集で魅せられてしまう。
「人狼」を想起させる様な台詞に頼らない2次元のキャラクターの「表情」で物語る演出力と京アニクオリティな作画に感服するばかり。
教室越しでの笑顔、演奏中の視線のやり取り、そしてラストの感情の発露、名シーンの連続だった。
徹頭徹尾、「学外」を省略し「学内」で描き切る構成も最高だ。
外から中へ入るOP、中から外へ出るEDという美しすぎる物語構造には快感を覚えた。
TVシリーズも観ようと思う。
山田尚子を「僕を裏切らない監督」リストに追加しました。
鑑賞して直ぐに言うのも何だが、早く新しい「山田尚子監督作品」が観たい。
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