みきちゃ

フランカ・ソッツァーニ: 伝説のVOGUE編集長のみきちゃのレビュー・感想・評価

3.8
ファッション誌「VOGUE」の編集長と言えば真っ先に思い浮かぶのは本家USA版「VOGUE」のアナ・ウィンター。続いて、2016年に他界したイタリア版VOGUEの元編集長フランカ・ソッツァーニ。

フランカ。なんて綺麗な人。全てを受け入れてよく分かっているような瞳。プロとしての厳しさがあり、即断即決を繰り返して生きる側の人であることが伝わってくる。

イタリア版「VOGUE」はフランカ編集長時代の28年の間にファッション誌のタブーを冒すような前衛的な特集などを多く組んで既存のジャンルを超越し続け、数ある「VOGUE」誌の中でも異色の存在感を放ってきた。賛否両論を巻き起こした特集たちを一挙に見れるだけでもとても嬉しいドキュメンタリー。

・戦争の恐怖を伝える2006年9月号 「State of Emergency」

・病み荒れセレブ達のニュースにインスパイアされてる?らしい2007年7月号「Rehab」

・美を追い求める狂気を描いた2007年8月号「Makeover Madness」

・白人ばかりが活躍するモデル業界にメスを入れてめちゃくちゃ売れた2008年7月の「ALL BLACK」号。

・メキシコ湾のオイル流出現場で撮影された2010年8月号 「Water & Oil」

全て、ファッション・フォトグラファーのスティーブン・メイゼル氏と手がけたお仕事。どれもインパクト大でエポックメイキング。

以前に見たアナ・ウィンターのドキュメンタリーも頭をよぎった。二人は長年の友人だった。アナのフランカ追悼文をいまさら見つけて、読んで、悲しくなってる。ドキュメンタリーで彼女たちの働き方と考え方に触れられて良かった。
https://www.vogue.com/article/anna-wintour-remembers-franca-sozzani

刊行された瞬間に古くなっていくファッション雑誌。流行り廃りの移り変わりが激しい業界で、常に最先端を進みながらどんどん切り替えていくそのマインドと、速い流れの中でも自分を保ち続けるお二人はものすごくかっこいい。

近年、子供同士が結婚してお二人は家族になった。天国のフランカ・ソッツァーニはきっと喜んでるだろうなあ!
https://www.mitindo.it/moda/2017/06/la-direttrice-di-vogue-anna-wintour-ricorda-franca-sozzani/121927/
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