映画二十郎

スーパーシチズン 超級大国民の映画二十郎のレビュー・感想・評価

3.4
期待し過ぎただけに凄く残念…

感動させよう感がやっぱり強く感じてしまう。映画を観てしまう前に他の人のレビューを今回目に入れてしまい“泣かせようとする音楽”に引っ張られたせいか音楽がうるさすぎた。(レビューを見ていなくても感じたかもしれないが)音楽そのものは良いのだけれど、やっぱりあれはやり過ぎでは?

台湾映画はこれと恐怖分子とクーリンチェ位しか観てないけれどキラキラしていないこの雰囲気は結構好み。
特にクーリンチェにも共通している、当時の台湾の政権下での人々を描かれている所にどこか魅力を感じる。力強さというか、監督の精神が汲み取り易い。

台湾人が日本語を話すシーンは日本人として考えさせられる所はもちろんある。慰安婦問題を始め、今の日本政府や(公式的な見解を考えてみて)、ごく一部の人達は歴史と向き合わないがそんな事は絶対あってはいけない。

主人公が友人と会い、軍艦マーチを歌い演奏するシーンは笠智衆と加東大介によるシーン、小津の「秋刀魚の味」そのものだ。
誰一人戦争をして良かったと思う人がいるはずない中、戦争時苦しい思いをして耳にしていた軍艦マーチをどこか懐かしく笑って聞けるのは戦後レジームがあるからこそであり、今の平和を噛み締めているのだ。決して戦争賛美ではない!
そしてそこからの脱却に平和って…首相、無理があるんじゃないですか?
映画二十郎

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