あでぃくしょんBBA

マスカレード・ホテルのあでぃくしょんBBAのレビュー・感想・評価

マスカレード・ホテル(2019年製作の映画)
3.9
2023.02.09 配信で再視聴

3年くらい前に映画館で観たことがあったが、ほとんど忘れていたので再鑑賞。
いやー、見事にいろいろ忘れていた。あとで観た他のサスペンスドラマと記憶がごっちゃにもなっていた。
配信であらためて観ると、聞き取れなかったところや見落としの確認のために前に戻れるから、この作品がどれだけ注意深く作られてたかがよくわかった。
ロビーでの騒ぎをとりかこむ野次馬客が騒ぎの中心から近すぎるとか、せっかくターゲットを捕捉したのに何故あの犯人はさっさと目的を達成しなかったのか(だから刑事に捕まった)とか、演出のお粗末やご都合主義はあるにはある。この映画単品として観ればラスト近くのマスカレード演出は唐突だし、ホテルスタッフはお客様の奴隷でいいのか?という疑問も残った。
でもそれ以上に、各エピソードを通じて都心のラグジュアリーホテルの雰囲気・空気感を再現しようとする努力が垣間見えたし、物語の中心である長澤まさみと木村拓哉の演技が巧かった。
長澤まさみ扮するホテルスタッフ山岸のセリフがいちいちくどいように感じたが、それは長澤まさみの責任ではない。彼女は滑舌も表情もさすがだった。
そして木村拓哉は、かつて“長髪タメぐちのええかっこしい”イメージが強いタレントだったが、なかなかどうして、キムタクという色眼鏡を外して見れば達者ですらある。英語を流ちょうに話すシーンがないのに「英語が堪能」という設定には無理があったものの、“型にはまらない刑事”にありがちな傍若無人な行動を極力とらせない演出が、微妙な表情や動きを産みだし、印象付けるのに役立ったのかもしれない。
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