にしやん

レプリカズのにしやんのレビュー・感想・評価

レプリカズ(2018年製作の映画)
1.5
人間の意識をコンピュータに移す実験を繰り返しとった神経科学者が突然の事故で家族4人を失ってまうねんけど、彼が家族の身体をクローン化し、意識を移し替え、完璧なレプリカとして家族を甦らせるっちゅう、人類のタブーを犯してまう話のSFサスペンスもんや。
まずこの映画、何言いたいんかさっぱり分からへん。コンセプトとかメッセージとかも何もないし、そやから観てるもんに何の感情も起させへんわ。まあ、色々問題はあんねんけど、まず一つ目は映画自体に倫理観のかけらも感じられへんことや。クローンを作ること自体に哲学的、倫理的な問題を含め相当議論があるはずやのに、この映画にはその疑問に答えることも、答える気さえも一切あれへん。
それと美術が酷い。出てくるロボットとか、ヘッドギアとか、CGとかのショボさは特筆もんやで。ある意味見どころかもしれん。予算の関係か、趣味なんかは分からんけど、人をおちょくってんのかと思うほどの腹立たしさ感じるわ。
それと一番怒りを感じるとこは、主人公の家族4人が映画始まって10分も経たんうちに死んでまうとこや。家族それぞれがどんな性格で、主人公とどんな関係であるかも全く分からないままやで。それどころか顔さえ覚えてへんレベルや。それってドラマとして致命的とちゃう?なんでかって、クローンとして生き返らせるんを主人公の家族にする必然性自体がドラマとしてないってことやもん。それもこの映画の大半を生きかえるまでの過程の話に費やすんやで。それ自体がもう全く無駄な時間や。だってな、全く思い入れのないというか顔さえ覚えてへん人等を生き返らせるんに失敗しようが、成功しようがそんなもん、どうでもええもん。そんなドラマを延々1時間以上観さされて、わし等いったいどうせえっちゅうねん。欠伸も出えへんわ。
他にも、相棒の同僚、この人類史上稀に見る大罪になんで簡単に加担したんかの理由も全く不明瞭。後にちょっとした種明かしもあんねんけど、それとて何をするつもりでやったんかは全く不明のまま。それに加えて主人公の家にあんなごっつい超重要設備をどうやって運び込んだんや?ほんま教えてくれや。
この映画で評価できる点は一つもないといっても言い過ぎとちゃうわ。逆にそれが売りかもしれんわ。キアヌ・リーブスよ。何でこの仕事受けたんや?これは近年稀に見る駄作やぞ。あんたかて脚本読んで分かるやろ。わし、さすがにこの作品は許せんわ。何やんねん、これ。クローン勝手に蘇らせて一生家族ごっこでもやっとれや、ほんま。
こうなったらいっそのことラジー賞総なめしかないで!
にしやん

にしやん