カンパッチー

ローマンという名の男 信念の行方のカンパッチーのレビュー・感想・評価

3.6
非常に地味な物語ですが、普段のデンゼルと違い正義感に溢れていたのに揺れ動いてしまったというデリケートな役であり、チリチリアフロに眼鏡、どってりした体型でヨレヨレのジャケットという何ともいえない風貌にまず驚きました。

ずっと真面目一筋、警察に侮辱罪と言われても信念を曲げてこなかった彼がちょっとした迷いで不正を働き、大金を手に入れましたが、やっぱりお金によって得られる満足感というのはほんの一瞬なんでしょうね、結局は元の生き方こそが彼の求めている生き方で、信念こそが人間を形づけているのだと思います。誰だって簡単に揺らぐけれど、自らが間違いを認め、罰することで正せるものです。

いつものデンゼルと違い、弱い人間らしさが本作では観られてとても魅力的でした。
コリン・ファレルも悪ガキっぽい演技もなく、効率を求めるかっこいい役で悪いやつだと思っていましたが、正義感を受け継ぐとても素晴らしい役です。
ただ物語自体は手に汗握る展開や急展開などはない地味な物語なので、そういったものを求めている人には退屈かもしれませんね。