まめまめちゃん

オンリー・ザ・ブレイブのまめまめちゃんのレビュー・感想・評価

4.0
『モリーズ・ゲーム』の開始に遅れて、急遽見ることにした本作。

火の塊になった熊の映像から始まるのは、掴みが良いですね。山火事消防隊とその家族の物語から、後半一変して自然の脅威との戦いになります。

前半の家族とのアレコレが意外に長く感じられ、消防隊初心者ブレンダンの訓練やら消火活動の意外な地道さにも尺長め。不謹慎にも眠気を催してきたあたりで、「いつもの」「ほどなく帰れるだろう」山火事が起こり召集されるところから一気に事態は転がり始め、「神さま、助けてください」という声が聞こえたと思ってからがあっという間のエンディング。

呼ばれる度に命がけだなんて、ああもうやだなあ今日はサボろっかなあと思うでしょう。でも出て行くんです。そこにはびっくりするほどハイテンションに盛り上がる仲間たちがいて、シリアスな仕事ぶりとバランスをとってるかのよう。そうやっていろんな出来事を共有して気持ちをひとつにして繋がってないと命がなくなる仕事ってことでしょう。火事でなくたって山に入るだけでも大変なこと。神に命を託すような毎日を送る人々とその家族の気持ちを少しでも長く撮りたい制作者の気持ちが、見終わってから伝わってきました。

さらに、山火事の季節ってのがあるのかと。湿度3%とか風向きや強さの変化の激しさを聞いていると、ちょっとした摩擦で簡単に火がつくんだと怖くなりました。

残された人々のシーンに尺をあまり取らないあたりが逆に印象的でした。気持ちの整理はきっとこれからまだまだ続くのでしょう。