逃げるし恥だし役立たず

セント・エルモス・ファイアーの逃げるし恥だし役立たずのレビュー・感想・評価

2.5
エミリオ・エステベス(カービー:ウェイターで弁護士志望)、アンドリュー・マッカーシー(ケビン:新聞死亡記事係で作家志望)、ロブ・ロウ(ビリー:サックス奏者)、ジャド・ネルソン(アレック:議員事務所)、デミ・ムーア(ジュールズ:銀行員)、アリー・シーディ(レズリー:アレックと同棲中)、メア・ウィニンガム(ウェンディ:福祉窓口係)のジョージタウン大学同窓生の男女七人の恋愛や仕事などの様々な苦悩や挫折をセント・エルモス・バーを通して描く青春グラフィティ。
バブル時代の徒花か幕間繋ぎとして映画の歴史の波に泡沫の如く発生して消滅した、大人になりたくない症候群の先駆けの青春譚。エミリオ・エスベテスが失恋しながらもウキウキで運転したり、コイツら一体何やってるんだ? が実感。時代を超えて観続けられる作品には古いながらも其れを許容できる何かがあるものだが、本作に其れは見当たらず、陳腐な内容と稚拙な演技、魅力が無く共感出来ない俳優たちのキャラクターしか存在せず、跡に残るのは只々イタさだけ。嵐の中での船乗りたちが道しるべとしたマストに灯る放電現象(=セント・エルモス・ファイアー)が題名の由来だが、ホント・得ルモノ・ガナイワーな印象の作品。
此の手のジャンルは米国産ソープ・オペラとして87年のブラックマンデーで終息、其の後は"新人類"世代の日本版トレンディ・ドラマとして引き継がれて97年のアジア通貨危機まで続く。バブル時代のサブカルチャー史の薄く浅い参考程度の作品。