50年代ハリウッドのメロドラマが江戸川乱歩世界と巡り合ってしまったような、いい感じの気持ち悪さがある。階段や扉を使いこなした演出、それからダニエル・デイ＝ルイスの部屋？にある大きな硝子窓など、さすが歴史を背負って立つPTA、堂々たるものだ。ただ、不健康を自覚しながらどこまでも堕ちてゆくというずるずるべったり描写は、ジョセフ・ロージーの『召使』に遥かに及ばないとも思う。
ウッドコックとアルマという名前に引っかかると、そういえば名前だけ呼ばれる役にイングリッドってのがいたし、ティッピーなんてキャラもあったな、なんていちいち気になってくる。意図したものなんですかね。
