ジャイロ

1922のジャイロのレビュー・感想・評価

1922(2017年製作の映画)
3.0
「真夏の夜のミステリー消える死体の映画祭2022」

今年最後の1本はこちら

『1922』

しかしこの父親、最悪なんだけど…

最悪の出来事と物言わぬ存在の不気味。とにかく、ネズミ、こわい。これだけで映画作るの大変だったろうなぁ。スティーブン·キング原作を無理して映画化なんてするから…


評価はデフォ1点+以下それぞれ1点満点で

①死体の消し方に趣向を凝らしているか
②背景
③意外性
④美しさ


①死体の消し方に趣向を凝らしているか

くーるー♪

きっとくるー♪

でも実は言うほど来ない

酷すぎ。こんなのあんまりだ。まったくいい趣味してるなスティーブン・キング(知ってた)。もっとゆっくりじっくりと腐敗していく様を見せつけられるかと思っていましたが、そうではなかった。腐敗していくのは心の方でした。それにしても牛を使った所業は許せん。見上げるシーンは思わず変な声が出ました(褒めてます)
[0.6]


②背景

1922年。つまり今から100年前。この頃の映画はすべてサイレントです。しかしながら、今見ても面白い傑作が数多く作られた年でもあります。日本は大正時代でしたが、映画は既に大衆娯楽として根付いており、次に上げる作品のいくつかは日本でも上映されたのだそう。100年前のスクリーンに出てくる人も、当時それを映画館で観た人も、誰一人、この世に生きてはおりませんが、これらの映画を観ることで、当時の人々と感動を共有できると考えるとなんだか不思議な気持ちになります。

<1922年の映画>
・ハロルド・ロイドが笑わせてくれる『豪勇ロイド』
・敬愛なるロッテ・ライニガーの『シンデレラ』
・カール・ドライヤーの『むかしむかし』
・ムルナウの『吸血鬼ノスフェラトゥ』『ファントム』
・アベル・ガンスの『鉄路の白薔薇』
・映画史上初のドキュメンタリー、フラハティの『極北の怪異(極北のナヌーク)』
・チャップリンの『給料日』
・フレッド・ニブロの『血と砂』
・ベンヤミン・クリステンセンの『魔女』
・フリッツ・ラングの『ドクトル・マブゼ』
[0.6]


③意外性

皆無。全部想定の範囲内。こーゆーの、原作ありきだとなかなかオリジナリティ出せないんでしょうねきっと。こればっかりは仕方ないかな。誰も幸せにならない。観てる方だって幸せな気分になんかならない。関わるすべてをダメにする。良くも悪くもスティーブン・キングっぽさは出てました
[0.1]


④美しさ

死体が無気味。そしてグロい。でもそれだけなんだよな。一言で言うと、グッとこない。しかし、だからこそ死体に力を入れているわけで。よく観ると分かる。なかなかの死体であると。まぁ言っても見せ場なのだろうし、正視できないのはホント気持ち悪い(褒めてます)。今となっては普通のCGのクオリティなのかもしれませんが、手を抜いてない感じは個人的に好感触です
[0.7]



■最後に
いつもなら1年以上かけて作品を選定するこの企画、今年の準備期間は約3日。だってせっかく準備していたネタ帳が、落としたら起動しなくなったスマホごとお亡くなりになっちゃんたんですよ。おかげで死体が消えない映画まで鑑賞しちゃう始末。でもいいんです。楽しかったから。

しかももうとっくにネタ切れしてますからね。ただ、入手方法が分からない古い映画がまだ候補に残っているので、その視聴方法を探りつつ、来年に備えようと思います。このレビューをご覧になった方で、もし死体が消える映画に出会った方がいらっしゃいましたら、ぜひ私までご一報頂けると幸いです。何卒、宜しくお願いします。

それでは来年の夏の暑い日にまたお会いしましょう。サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ…