コーディー

ドント・ウォーリーのコーディーのレビュー・感想・評価

ドント・ウォーリー(2018年製作の映画)
3.9
良い映画だ〜

とことんまで落ちてこそ見えてくる己の欠陥。誰だって落ちずに真っ当な生き方をしたいに決まってるけど時に手厳しい人生に心壊される者もいる。弱者として憐み留まるか受け入れた上で光を探求するかでその密度や出会いも変化する。まだ笑えるなら変われるし愛せる。

劇的に何かが変わるわけじゃないし簡単に強くなんてなれないけどホアキンがニカッと屈託のない笑顔を浮かべる瞬間の輝き。アルコール依存、事故による麻痺と絶望の中にあってもまだ人生捨てたもじゃないと思わせてくれる。
まあ唯一劇的があるとすればルーニーです。天使いたw

死生観とまでは言わないけどガス・ヴァン・サントらしい弱者やマイノリティの細やかな好転の可能性を優しくユーモア混じえて見つめる。そこにホアキンの表現力やジョナ・ヒルの達観の境地が加わる、一つの真理としての説得力はさすが。実話モノの域を超えた解放の物語としてとても観応えがありました。

見下す側も見下される側も経て自分の愚かさも痛い程突き付けられたジョン・キャラハンの描く風刺漫画。怒りと笑いは表裏一体といった彼の生き様そのものな感じがとても刺さった。
そしてホアキンの相手はルーニーじゃなきゃダメな映画だと二人を観ていてしみじみ。
あとジョナヒルの役者の幅にビビるw